- 日時: 2014/06/04 22:25
- 名前: お餅 (ID: MB0IU9q/)
[龍]の顔にうっすら余裕の表情が混ざる。次の瞬間[龍]は再びディブの視界から消えた。 「オオナズチの効果は消えたはず…!?」 角の残骸はそこに残っているし、世界広しと言えども瞬間的に再生する能力を持つ竜はいなかった。 そのとき空中に舞う鱗粉がディブの目に入った。それを見ると気流が安定してないことがわかる。 「瞬間移動か………?というと…月迅竜か!」 「その通り!!」 声とともに爪が体にめり込む。幸い勢いよく飛ばされ体は切れなかった。 ディブが体勢を立て直すときには既に姿を消している。 「ヒット・アンド・アウェイとは卑怯な真似しやがる……」 肉眼で捉えることなど出来やしない。鱗粉を頼りに追うことも無理だ。 冥廻龍もコトルもそれぞれ目の前の敵に必死だ。奇襲はもう通じないだろう。 そうこう考えている間に連撃に襲われ、足はおぼつかなくなっていた。 「そろそろ頃合いか…」 [龍]の低い声が響く。次の瞬間にはディブの懐へ入り込んでいた。 しかしその瞬間を幸龍は見ていた。
黒き龍の前に立つ紅き竜を。
ディブの足元から爆発が起きる。[龍]は飛ばされ地面に叩きつけられた。 「………んだと………?」 「なんかやけにムカつく感覚だと思ったらアレか。この世界に来て始めての戦いのときか。」 ディブの眼は怒りに燃え上がり、口からは大量の粘菌がほとばしっている。 ディブは[龍]が立ち上がる前に殴りかかった。その姿はもはや鬼である。 ー続く。 |