Re: 小説を書きたいひとはここへ!( No.178 )
  • 日時: 2013/10/20 14:45
  • 名前: KYハンター ◆CgKhXBtWT2 (ID: uvqfECmZ)

第14話「鎧を穿つ力」
あれから5分ほど戦い、何とかアリアチェンジさせたが、<戦い>と言うには余りにも一方的だった・・・・・・
「・・・・・・予想外だーー完璧に予想外だった・・・・・・」
「アルガス、こんな所でくじけていいのか? 俺達は<ハンター>だ。依頼を受けたならその依頼を完遂させる・・・・・・そう言ったのはアンタだろ!」
「・・・・・・お前も見ただろッアイツの・・・・・・強さを・・・・・・俺達じゃもうどうしようもない・・・・・・俺達の負けだ」
「っテメエ、いつからそんな臆病者になったんだ!」
「魁、お前も見ただろ、あの硬さを・・・・・・何よりもあの熱戦の威力を! 攻撃は弾かれる、状態異常にもならない・・・・・・完敗だ」
魁もその事実は知っている、何しろ目の前で見たのだから・・・・・・
ただ、置場のない<悔しさ>――何よりも自分の<無力>さを悔んでいる。その置き場所が解らず、ただ何かにぶつける事しか出来ない――それが魁のイライラを加速させた
「・・・・・・でだよ、何で何も出来ないんだよ! これじゃああの時と同じだ・・・・・・また、何も・・・・・・何も出来ないのかよッ!」
目の前にある木を殴りながらそう言った
「ーー幾ら勝ち目が無くとも・・・・・・僕は戦います」
「蓮、死ぬかもしれないぞ」
「アルガスさん、僕だって<ハンター>です。依頼をこなしての<ハンター>ですよ」
「私だって戦います。これでも・・・・・・<ハンター>の端くれですから」
「サジェル、お前まで・・・・・・」
そうだ、俺達は<ハンター>だ・・・・・・俺はいったい何を迷っていたのだか・・・・・・解らない、不思議だ。ついさっきまで<恐怖>のどん底にいたと言うのに・・・・・・本当に不思議だ
「魁、いつまでそうしてる。クエストを・・・・・・クリアしに行くぞ!」
「やっと調子が戻ったな、アルガス」
そうして団結し、グラビモスと戦いに行くことになった



幾ら団結したとは言っても肉体的にも精神的にも疲労しきっている為、劣勢を強いられる・・・・・・
「流石に・・・・・・これ以上は・・・・・・無理・・・・・・です」
蓮が遂に倒れた。マズイ、このままでは全滅する可能性がある・・・・・・
「「「蓮!」」」
一瞬の焦りの中、平静を取り戻したアルガスが
「サジェル、蓮をベースキャンプへ、戻り玉があったはずだッ!」
「お二人はどうするのですか」
「俺達の心配はするな」
「で、でも・・・・・・」
「早くしろッ!」
「は、はい・・・・・・」
サジェルが蓮を背負い、ポーチから戻り玉を使う
「さて、俺達は時間を稼ぐぞ。くたばるなよ、魁」
「それは俺のセリフだ」
「「行くぞッ!」」



「取りあえず・・・・・・ベッドに寝かせて置きましょう」
背負った蓮をベッドの上に降ろし、寝かせる
「兄様達が心配です・・・・・・早く戻らないと・・・・・・」



そうして、アルガス達が戦っている所に戻ると・・・・・・
「皆・・・・・・さん?」
アルガスと魁が倒れていた・・・・・・ただ、まだ意識があるらしく、何とか動こうとしているが虫の息と言う事も解る。
「そん・・・・・・な・・・・・・」
サジェルは膝をつき、現状に絶望していた・・・・・・
グラビモスがこっちに気付いた。こっちに突進してくる。
この時ばかりは<死>を覚悟した――同時に<死にたくない>と願った
グラビモスが近づいてくる。
刹那、<恐怖>で力が入らなかったが、何故か不思議と力が入り、弦を引き、矢を放った
その事に気付いたのは矢を放ってすぐの事だった。
ーーどうせ弾かれる。そう思ったがその矢はグラビモスの頭から部位を次々と貫通していった
それが体を突き抜けた時――グラビモスが倒れた。
形はどうあれ、勝った



こうして、今回の1件は事態を収拾した
ただ、サジェルの中に1つ謎を残した
あの時の力は一体何だったのだろうか?

14話END