Re: 小説を書きたいひとはここへ!( No.309 )
  • 日時: 2013/12/23 14:20
  • 名前: 片手拳 ◆EBwplS/Cbs (ID: g9gN0XKM)

〜第二話「アイルーキッチン」〜

ユウはいつものように、酒に浸したパンを油へ投げ込んでいた。
炎が上がる。
「きゃっ!」
油がハネた。熱い。
これはユウの働いている食堂での一番人気のメニュー、「炎の揚げパン」だ。
味はお世辞にも美味いとはいえないが、食べると根性が付くとハンター達に人気である。
ポカン!
店長からオタマで叩かれた。
「油がハネた位で悲鳴をあげるのは止めるニャ!気が散るニャ!」
店長は、もう一つの人気メニュー「とろとろポポノタンシチュー」の盛り付けをしていたらしく、シチューが顔にかかって熱い。
この料理は、ポポノタンを数種の野菜と大量の酒とともにじっくり半日煮込んだものである。
アルコール分は抜けているので酔う事はほとんどないらしい。
味も一級品で、しかも力が湧いてくると、口コミで着々と人気が広がりつつある。

「ユウ、大丈夫?」
幼馴染のナナミが先ほどの揚げパンにかぶりつきながら声をかける。
食事代金は、先ほど出て行ったイケメンのハンターが払って行ったらしい。美人はこういう所が得だ。羨ましい。
それに比べて私なんか。たまに酔った客に絡まれるくらいのものだ。
それも人間の店員が私だけだからなのだろうが。他はみんなアイルーである。
「ま、まあね……。」
「んじゃ、行ってきまーす!」
ナナミは揚げパンを食べ終わると、元気よく食堂を飛び出した。

〜第三話につづく〜

注)この作品に登場する料理は実際の料理ではなく、モンハンのネコ飯を参考にしてあります。
穀物と酒を揚げる→根性飯
肉と酒を煮込む→猫火事場
です。分かりますよね?