- 日時: 2013/12/23 21:08
- 名前: 片手拳 ◆EBwplS/Cbs (ID: g9gN0XKM)
〜第三話「陸の女王と空の王・前編」〜
ナナミとレンは荷車を下りると、ギルドでは遺跡平原と呼ばれるフィールドに降り立った。
「しかし、こんなに広いフィールドで飛竜を探すなんて、大丈夫か?」 「やりたいって言ったのは先輩ですよね!責任とって下さいよ!」 殴り飛ばそうかと思ったがやめておく。無駄な体力を使いたくない。 雌火竜を確実に見つける方法……。うーん……。 「そうだ、思いついた!」 私達はすぐにそれを実行に移した。
「これで何人前の卵焼きが作れるかな?」 「そんな呑気な事言ってる場合かよ。でもちょっと気になる」 そう言いながら片っ端から巣の卵を叩き割る。 グシャッ!グシャッ!グシャッ! もちろんリオレイアが気付かない筈はないだろう。 ……案の定、飛竜とおぼしき影が上空を旋回している。 「くるぞっ!」 レンは飛竜刀【紅葉】、私はコマンドダガーを構える。 だが、その飛竜は、緑色ではなく赤い甲殻を纏っていた。 「リオレイアって、赤色じゃないよね……」 全くその通りだ。これは卵の父親、雄火竜リオレウスだ! 「こいつは俺に任せ……ぐああっ!」 後方から火球が飛んできた。雌火竜リオレイアだ。 「そいつはお前に任せたぞ!」 私はアイテムポーチからペイントボールとこやし玉を取り出し、リオレイアに投げつける。 (とは言ったものの、勝てる気がしないんですけど……) 心の底ではそう思っていた。
〜第四話につづく〜 |