Re: 小説を書きたいひとはここへ!( No.317 )
  • 日時: 2013/12/26 19:39
  • 名前: 片手拳 ◆EBwplS/Cbs (ID: sSzwMPij)

>>316
凝った支援ageだなw
普通に小説を書けばいいのに。

〜第六話「帰宅……?」〜

私は約二週間振りに自宅(と言っても、ギルドの提供する新米ハンター用の宿舎なのだが)に帰った。

先日の狩りで腕とあばら骨が折れたが、「秘薬」という薬のお陰で殆ど治っている。
命に別状のない程度の傷なら、この「秘薬」を飲んで寝ておけば治る。但し、その高い効果から分かるようにとても高価である。
そのため下位ハンターにはとても入手できる代物ではない。自分でこれを作って使用するハンターはかなりの財力(すなわち狩りの腕)を持っているという事だ。
私が飲んだのは……、勿論ギルドからの支給品だ。

また鍵を掛けた扉がぶち破られている。これで三回目だ……。
しかも今回は焦げ臭い。火属性の武器を用いたようだ。
私の家にはよく泥棒が入る。ハンターになる前からの話だ。
そして盗まれるのは何故か下着ばかりだ。不思議である。
まだ中に下着を盗んだ変態がいるかもしれない。私は剣を抜いて自宅に入った。

まさかとは思ったが、私は変態を目撃してしまった。
銀色に輝くハンマー、星砕きプロメテオルを背負い、キリンSシリーズを着用した男ハンターが、ガサガサと私の箪笥をあさくっている。
扉をぶち破るよりもモンスターの頭に振り下ろすべき強力な武器だ。
「あ〜、ここもダメ。何で箪笥に魚の干物しか入ってないんだよ。」
悪態をついている。悪態をつきたいのはむしろこちらの方だが。

因みに下着は武具と一緒に金庫に入れてある。二回盗まれたら流石に対策するだろう、誰でも。

「ん、誰か来たか?」
私以外に誰が来るというのだ。他の変態か?
どうやら気づかれたらしい。

出入り口に繋がる廊下はひとつしかない。嫌でも私の横を通る事に……
いや、ならないようだ。
変態はハンマーを抜刀し、壁に向かって叩きつけた。
……だが、運が悪いぞ、変態。
そちらは別の宿舎に繋がっている。しかも住人はギルドナイトだ。
彼女は今日は確か非番だったはずだ。筋トレでもしているにちがいない。

壁が崩れ、爆音が響き渡る。
大穴が開いた。変態はその中に駆け込んでいく。
案の定、数秒後に変態は引き返してきた。
「ちょっと変態!あっち行って!」
ギルドナイトが追いかけてくる。入浴中だったらしく、バスタオルを頭に巻いて。
まず隠すべきは体の方だと思うのだが。相当慌てているらしい。
当然といえば当然だが。

私は廊下に立って変態の逃亡を阻止することにした。
変態は私を跳ね飛ばそうと突進してくる。
だが遅い。モンスターの突進を見慣れたハンターの私から見れば。
私は拳を大きく振りかぶって、変態の顎を打ち砕いた。
宙を舞って吹き飛ぶ変態。
「ぐあっ!」
変態は叫び声を上げる。自業自得だ。
よろめきながらも立ち上がる変態。一応上位ハンターだしなコイツ。

そこへ先ほどの爆音を聞いて駆け付けた他のギルドナイト達が現れ、変態を縛り上げた。
変態は御用となり、数日後、ハンターの資格を剥奪されたという。

〜第七話につづく〜