- 日時: 2014/03/22 15:30
- 名前: 翼の勇車 (ID: jzoPnZMa)
では、更新させていただきます。
第二話〜三匹のモンスター〜
「ブオオォ!」 「なっ!?」 少し離れたところにいたアプトノスが、断末魔を上げて倒れる。 「にゃ!? なんでこいつが密林なんかにいるにゃ!?」 倒れたアプトノスの上に降り立ったのは、ティガレックス。アプトノスを喰らおうとしたが、ネオの声でこちらに気づいてしまった。 「グオオオォォ!」 咆哮を上げ、こちらに突っ込んで来る。足がすくんで動けない……。 「プオー」 私とネオに突進が当たる直前、いつの間にか移動していたカスケが角笛をふいた。それに気づいたティガレックスが、方向転換してカスケに向かっていく。ただ今の角笛の音、私が知っているのと違ったような……。 「お二人さんは逃げろ!」 「ご主人! カスケさんが時間稼いでくれてるうちにキャンプまでダッシュにゃ!」 「でも、カスケさんが!」 「カスケさんは、リオレウスも一人で狩れるほどのベテランだにゃ! ご主人が行ったところで足手まといになるだけだにゃ」 確かにそうだ。イャンクックも倒せない私がこんなのと戦えるわけがない。ここは逃げ延びるのが先決……。 「グオオ!」 「きゃ!」 ティガレックスのブレスの流れ弾がとんできて、妙な声を出し、しりもちをついてしまった。それがカンに障ったのか、ティガレックスがこちらを向く。怒り状態だった。 「グオオォォ!」 再び突進してくるティガレックス。その後ろからカスケの角笛の音が聞こえてきたが、止まる気配は無い。 私、死ぬのかな。死ぬのなら老衰か、せめてでも古龍種に殺されたかったな。ああ、遠くを赤い大きな鳥が飛んでいる。綺麗な色だな。こっちに飛んできた。ん? 赤くて、大きい……鳥? 「クエエ! クック·キィーック!」 真横から飛んできた鳥に跳び蹴りならぬ飛び蹴りを喰らい、ティガレックスは吹っ飛んだ。 そしてその大きな鳥……大怪鳥イャンクックは、ズズンという地響きを立てて私の目の前に着地した。 ティガレックスの方を見ると、未だに吹っ飛んでいた。一体どれだけの力で蹴られたらあんなに吹っ飛ぶのだろうか。 その時、吹っ飛んでいく飛竜の先の地面がボコッと持ち上がった。そしてその真上を通過する瞬間……。 「ギザミ·アッパァー!」 地中から大きな蟹、いやダイミョウギザミが飛びだし、見事なアッパーを入れたのだ。 今度は真上に向かって吹っ飛ぶはめになったティガレックスは、痛みに悶えながらも空中でバランスをとり、滑空しようとしていた。 ザバァン!という水中から何かが飛び出す音がする。その方向に目をやると、少し離れたところにある川から巨大な魚が飛び出し口を大きく開けていた。 「トトス·レーザー!」 その魚、いやガノトトスから放たれた水のブレスは、バランスをとろうと広げていたヤツの皮膜に直撃、皮膜が破けた上に水圧できりもみ回転しながら落ちていった。 《ズドォーン!》 轟音と共に頭から落下したティガレックスはしばらくピクピクしていたが、やがて動かなくなった。 |