Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!トリップ付けるの推奨( No.669 )
  • 日時: 2014/03/23 20:45
  • 名前: 翼の勇車 (ID: ri.XLoAb)

ドスガレオス倒せました。音爆弾めっちゃ使いましたが。というわけで、嬉しいので更新!


第四話〜モンスター達との夜〜

今日はベースキャンプに泊まっていくことになった。流石にモンスターを村へ連れて行くのはまずいし、何より三匹が私達ともっと話をしたいそうだ。ついさっきまで『モンスターは敵!』と割り切っていたのに、なんだか不思議な気分だ。
「それでな! やつが怯んだ隙に俺様が体当たりしてやったんだ! そしたら……」
今はトトスの武勇伝を、たき火を囲んで聞いている。私はとても面白いと思うんだけど、クックは呆れ顔をしているし、ネオにいたってははうたた寝している(ギザミの表情はわからない。あの顔だもんね)。
「さ、もういいだろう。明日は村に帰るんだから、早く寝るぞ」
カスケさんがそう言うと、トトスは渋々といった様子で水を吐き、たき火を消した。
私はギザミとクックの間で、ネオと共に横になった。
なかなか眠れそうに無い。何せ、モンスターに囲まれているのだ。今までモンスターと暮らしてきたであろうカスケさんならともかく、なんでネオはすぐに寝られたのだろうか。その順応性を私にも分けて欲しい。
「……眠れないの?」
ギザミが話しかけてきた。かぶっている頭骨や刺々しい見た目と、とても優しく幼いその声は凄まじいギャップだ。
「え? ああ、うん」
「そりゃあそうだよね。ボクみたいなのが隣にいるんだし」
否定しようとしたが、なぜか黙ってしまった。
トトスの大きないびきが聞こえる。
「星が綺麗だね」
そう言われて上を見ると、満天の星空が広がっていた。
「うわぁ……」
星空を見たのなんてどれくらいぶりだろうか。いや、もしかするとちゃんと見たのは初めてかもしれない。
「驚いたでしょ? 僕らみたく人間の味方をするモンスターって」
「うん。正直まだ信じられない」
ギザミがハサミを持ち上げて大きく伸びをする。体に見合わないその小さな黒い目に、星が映りこんでとても綺麗だ。
「もう寝よっか」
「うん」
その時、体になにかふわふわした物が被さった。
「震えてたぞ。使え」
クックの、大人びているけど優しい声がした。寝ていると思ってた。
「これは?」
「俺が卵のとき、母さんが俺を温めるのに使っていたクックファーだ」
「使っちゃっていいの?」
「ダメだったら渡さんだろう」
クエエッと、笑うように小さく鳴いた。そりゃそうか。
「……ありがとう」
「気にするな」
クックファーをかけ直す。よく見ると、ちゃんと布に加工してあった。
「カスケが加工してくれたんだって」
ギザミが教えてくれた。
「おやすみ」
「う、うん。おやすみなさい」
「ああ……」
安心したのか、今度はすぐに睡魔が襲ってきた。クックファーが暖かい。私はそのまま、夢の中に落ちていった……。