- 日時: 2014/03/23 20:45
- 名前: 翼の勇車 (ID: ri.XLoAb)
ドスガレオス倒せました。音爆弾めっちゃ使いましたが。というわけで、嬉しいので更新!
第四話〜モンスター達との夜〜
今日はベースキャンプに泊まっていくことになった。流石にモンスターを村へ連れて行くのはまずいし、何より三匹が私達ともっと話をしたいそうだ。ついさっきまで『モンスターは敵!』と割り切っていたのに、なんだか不思議な気分だ。 「それでな! やつが怯んだ隙に俺様が体当たりしてやったんだ! そしたら……」 今はトトスの武勇伝を、たき火を囲んで聞いている。私はとても面白いと思うんだけど、クックは呆れ顔をしているし、ネオにいたってははうたた寝している(ギザミの表情はわからない。あの顔だもんね)。 「さ、もういいだろう。明日は村に帰るんだから、早く寝るぞ」 カスケさんがそう言うと、トトスは渋々といった様子で水を吐き、たき火を消した。 私はギザミとクックの間で、ネオと共に横になった。 なかなか眠れそうに無い。何せ、モンスターに囲まれているのだ。今までモンスターと暮らしてきたであろうカスケさんならともかく、なんでネオはすぐに寝られたのだろうか。その順応性を私にも分けて欲しい。 「……眠れないの?」 ギザミが話しかけてきた。かぶっている頭骨や刺々しい見た目と、とても優しく幼いその声は凄まじいギャップだ。 「え? ああ、うん」 「そりゃあそうだよね。ボクみたいなのが隣にいるんだし」 否定しようとしたが、なぜか黙ってしまった。 トトスの大きないびきが聞こえる。 「星が綺麗だね」 そう言われて上を見ると、満天の星空が広がっていた。 「うわぁ……」 星空を見たのなんてどれくらいぶりだろうか。いや、もしかするとちゃんと見たのは初めてかもしれない。 「驚いたでしょ? 僕らみたく人間の味方をするモンスターって」 「うん。正直まだ信じられない」 ギザミがハサミを持ち上げて大きく伸びをする。体に見合わないその小さな黒い目に、星が映りこんでとても綺麗だ。 「もう寝よっか」 「うん」 その時、体になにかふわふわした物が被さった。 「震えてたぞ。使え」 クックの、大人びているけど優しい声がした。寝ていると思ってた。 「これは?」 「俺が卵のとき、母さんが俺を温めるのに使っていたクックファーだ」 「使っちゃっていいの?」 「ダメだったら渡さんだろう」 クエエッと、笑うように小さく鳴いた。そりゃそうか。 「……ありがとう」 「気にするな」 クックファーをかけ直す。よく見ると、ちゃんと布に加工してあった。 「カスケが加工してくれたんだって」 ギザミが教えてくれた。 「おやすみ」 「う、うん。おやすみなさい」 「ああ……」 安心したのか、今度はすぐに睡魔が襲ってきた。クックファーが暖かい。私はそのまま、夢の中に落ちていった……。 |