- 日時: 2014/03/24 18:57
- 名前: 翼の勇車 (ID: kmYU6Ksx)
今日も更新!まあ、主殿の過労死の可能性を考えて、少しペースを下げることにします。『少し』ですが。ムフフ。
第五話〜片目のドスゲネポス〜
「ドスゲネポス?」 モンスター達と出会った日から数日がたった。私はカスケさんとコンビを組んで活動をすることが多くなった。もちろん、その時はあの三匹も一緒だ。今では結構仲良くなって、特にギザミとはお互いの昔話をするくらいになっていた。ちなみに三匹とも、普段は密林で生活してもらっている。 私達は今村長の家。新しい狩り場へ行けるようになったと聞いてやってきたのだ。 「そうだよ」 まだ若い村長は、私たちに笑いかけながらそういった。 「君たちが行くのは砂漠。ようやくこの村からの道が開通したんだ。オイラもなかなかやるだろう?」 竜人族特有の尖った耳をひくつかせながら自慢げに言う村長。 「そこにはゲネポスっていう、ランポスの親戚みたいなのがいるんだけど、そのリーダー格であるドスゲネポスってやつの目撃例が後を絶たないんだ。いや、ドスゲネポス自体は時々目撃されているんだけど、今回現れた片目のドスゲネポスは統率力がすごいみたいで、アプケロスの大きな群れをたった五匹で襲って無傷で倒したって話だ」 砂漠をよく知らない私でも、そのくらいは知っている。アプケロスってやつは草食竜なんだけど、縄張り意識が凄くて、群れに入ってきた奴を頭突きなんかで追い払う。しかも背中には亀みたいな甲羅があって、そのせいで結構防御がかたい。単体なら案外楽だが、群れ、しかも大きなものになれば、至難の技だ。 「ま、まだ人を襲ったっていう情報は入っていないんだけどね。あっ、それとなんだけど……。そのドスゲネポス、おかしな行動をとるそうなんだ」 「と、いいますと?」 カスケさんが興奮した様子で聞き返した。どうしたのだろう。 「うん、オイラも噂で聞いただけなんだけど、スキップするように走ったり、歌うように鳴き声を上げていたそうなんだ。ま、所詮噂だけどね」 それを聞くとカスケさんは黙り込み、腕を組んで深刻そうな顔をした。 「それじゃあ頼んだよ!」 村長はそう言って、自らの家を飛び出していった。おそらく情報集めだろう。活発な村長だ。 「カスケさん、どうしたんですか?」 「ちょっと、ね」 そう言って特産キノコの納品依頼の手続きをなれた手つきですませると、私を連れて密林へ向かったのだった。
~密林にて~
「どう思う?」 「うん、これはどう考えても……」 「ガハハハ!! 相変わらずみてえだなおい!」 「……」 カスケさん、ギザミ、トトス、クックが何やら相談している。なんで私を入れてくれないんだろう。 「一体なにがあったんだにゃ?」 私が頬を膨らませていると、ネオが質問してきた。今までのいきさつを教えると、 「ドスゲネポス……」 そういって、首を捻った。わかるわけ無いよね、私もわかんないよ。 「じゃ、それでいいね?」 「うん」 「おう!」 「ああ」 カスケさんと三匹がこちらに来た。 「お二人さん、さっきのドスゲネポスのことだけど……もしかしたら、いやおそらく、僕らの仲間みたいなんだ」 |