Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!( No.703 )
  • 日時: 2014/03/27 14:25
  • 名前: 布都御霊剣 ◆Mp0wNgpgF6 (ID: uvqfECmZ)

プロローグ

私の母さんは私を生んだ時に死んだ。
父さんは“ハンター”を生業としている。
強く、優しく、大きいその背中を見つめて育った。
そのせいか私も"ハンター"を目指す決意をした。それを言ったら思いっ切りぶたれたが。
しかし、何度も頼んだら先に根負けしたのは父さんの方で、それから"ハンター"の基礎知識を体に叩き込まれた。
肉焼き、アイテムの使い方、アイテムの使いどころ、剥ぎ取り方、武器の使い方まで叩き込まれた。
(――あの時もこんな夕焼けだったな)
あの時、と言うのは私が始めてモンスターを殺したときのことだ。
ただのランポスではあったが今となっては忘れられない思い出の一つだ。
何せ褒められたのはそれが初めてだったからだ。
夕日が地平線に半分隠れたあたりのところで家のドアが開いた。
父さんが帰ってきたのだ。
私は玄関まで飛んでいった。
しかし、そこにいたのは武器を失い、防具はほぼ全壊、腹を深く抉られ、右腕は無くなり、体のあちこちから出血している大惨事だった。
「アズルライト――アズルライトはいるか?」
「はいっ! ここに」
残っている左手を私は両手で握り締めた。
「アズルライト――すまないな・・・・・・こんな思いさせて」
「と、父さん・・・・・・何で――そんなことを・・・・・・」
すると、父さんは――笑ったのだ。こんな、状態で。
それに対して私は言いようの無い感情に襲われ、ただ涙が、溢れかえり、零れ落ちてゆく。
「泣くなとは言わん。だがな・・・・・・いつまでも泣いてるんじゃない。お前は、もう十分立派な"ハンター"だ。それにしても・・・・・・大きくなったな」
左手が冷たくなり、崩れ落ちた。
そこには片手に収まるサイズの紅い破片が一つ、握られていた。
私は問いかける言葉が無く、ただ悲しみに打ちひしがれるしかなかった。


それから2年半経ち、私は独りで上位ハンターとなった。
父さんの仇を討つ為に。