- 日時: 2014/03/29 14:03
- 名前: 翼の勇車 (ID: 9zabKnFS)
更新しまーす。
第十話〜ばれた〜
砂漠での一件をすませ、村へ帰ってきた私とネオ。村の入り口ではカスケが待っていてくれた……のだが、その表情は少し慌てているように見えた。 「あ、お二人さんお帰り! クエ帰りで疲れているところ申し訳無いんだけど、村長さんが重要な話があるって……急を要するから、ミズキさんが帰り次第来るようにって……」 「!? 分かった、すぐに行こ!」 私はとんでもなく嫌な予感がした。恐らくそれはカスケさんも一緒なんだろう、村長の家に着くまで、ずっとアワアワしていた。ネオも心配そうな顔をしていたので、連れていった。 「失礼しまーす……」 村長の家は明かり取り用のランプなどが全て消えていて、中は真っ暗だった。私が呼びかけても返事が無い。 「村長さー「ようこそ……」ひぃ!!」 急に背後から現れた村長に三人で同時にビクッとする。 「あっはっは、いやーまさか引っ掛かるとは。まあ座って座って」 村長は良くも悪くもお茶目過ぎる。まあ、私はこのキャラが好きなんだけどね。 ランプに火を点し、真剣な顔になる村長。私達はその正面に並んで座った。 「君達をここに呼んだのは、ギルドからの報告についてなんだけど……君達、最近密林で大型モンスターを見なかったかい?」 カスケさんの肩がビクッと跳ねる。無論私もそうだったと思う。 「最近、古龍観測隊から妙な報告が上がるようになったそうなんだ。複数の、しかも違う種類の大型モンスターが共に行動している所を見たって……」 観測隊の気球……。顔が青くなっていくのが自分でも分かった。完全に気球の存在を忘れていたのだ。 「それでさらに不可解な情報があるんだけど、『ハンターと思われる人間が、そのモンスターといっしょにいた。』ってね。あの密林を狩り場としているハンターっていったら、君達くらいなんだよ」 終わった……私のハンター人生終わった……。正直にそう思った。 「それでなんだけど……」 ああ怖い。なんて言い出すのかコワイよ村長。 「そのモンスター、僕にも紹介してくれない?」 「「「へ?」」」 出た、村長の想像の斜め上を行く発想。モンスターを紹介しろ?それはどういうことなのか。 「いやー、僕一度でいいからモンスターと友達になってみたかったんだよね。小さい頃に密林で遭難して、ケルビに助けてもらったことがあるんだ。それ以来モンスターにもいいやつがいるって身に染みて分かってさ」 村長の武勇伝はさておき、私達は胸を撫で下ろした。てっきり村追放かと……え?なんでそう思ったかって? それはアレじゃん、その、モンスターと一緒になって村を攻め落とす内通者的な誤解を恐れた訳よ。まあ、今冷静になって考えてみれば、村長がそんなことをする訳無い、か。 「……もう言っちゃっていいかな……」 「良いんじゃにゃいか? 村長は人に嘘をつくような人間……いや竜人じゃないにゃ」 「私もいいと思う。村長なら」
~数分後~
村長に、超大陸もろもろの話をした。 「なーるほど……」 実際に喋るモンスターを見ていないのにこの話を信じるのは村長くらいだと思う。かくして、次に密林に行く時は村長も同行することとなった……。 |