Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!トリップ付けるの推奨( No.751 )
  • 日時: 2014/03/30 20:06
  • 名前: 翼の勇車 (ID: bMHDJrWl)

更新しようかなっ♪


第十二話〜初めての……〜

「お、お兄ちゃん、なんか知らない人がいるよぉ」
「紹介するって言ってるだろ。ほら早く」
お兄ちゃん? イャンクックとイャンガルルガは別種のはずだけど……。
「あ、ああ。コイツは俺の兄弟のルカ。まあ、兄弟つっても義理のだがな」
ああなるほど、義理か。それにしても、イャンガルルガって気性が荒いって聞くけど、ルカ君はここにいる誰よりも気弱な感じだ。それに、ガルルガの特徴である刺がほとんど無い。新手のイャンクック亜種と思われても仕方ないほどだ。
「ひっ」ビクッ
私がガン見しながら考察している姿が怖かったのか、びくつくルカ君。ちょっと可愛いかも……。
「ほらほら自己紹介して」
「う、うん。僕、イャンガルルガのルカっていいます。よ、よろしくお願いし、します……うわぁん! 緊張したよお!」
「あーはいはい、よく出来たな。というわけだ、よろしくな」
おお、いつになくクックが大人に見える……。
「ねえ、ルカ君の名前って何が元?」
何となく隣にいたギザミに聞いてみた。
「ああ、刺の無いガルルガだからカルルカ、さらに縮めてルカだよ。それとだけど……ルカちゃんは女の子だよ?」
何ですとぉー! 僕っ子ですか? いやそれ以前に、兄弟じゃなくて兄妹でしたか。見事に騙されました。
「ル、ルカ、なんでここにいるんだ? お前は超大陸にいるって……」
カスケ君が質問する。
「うう……だってお兄ちゃんに会いたかったんだもん……」
そう言いながら一回り大きなクックに抱き着く(?)ルカちゃん。目には涙を浮かべている。先程の女の子だという情報を踏まえて再度言う。可愛い。
「どうやらコイツ、こっちの大陸まで一人で飛んできたそうなんだ。無茶するよな……」
なんという兄妹愛、ちょっと感動した私であった。というかクック、お前は本当に幸せ者だね。
「ま、それぞれの紹介も終わったことだしよ、なんか飯でも食おうぜ!」
珍しくトトスが仕切っている。ルカちゃんの相手でクックは手一杯みたいだし、そういう手筈になってたのだろうか。
「ねえ」
ギザミが話しかけてきた。
「ルカちゃん、こんがり肉が好きなんだ。こっちに来てからはまだ食べて無いみたいだし、作ってあげたら仲良くなれるんじゃない? いつも肉焼きセットは持ってたよね、はい生肉あげるっ」
素晴らしいアドバイス& サポート! やっぱり私は三匹の中でギザミが一番好きだ!
私はギザミから受け取った生肉と肉焼きセットを持って前に出た。ルカちゃんがこっちを見てくる。肉焼きセットに生肉をのせ、例の音楽と共に焼き始める。
「テッテテ、テテテテッテテ、テテテ……」
なんと、ルカちゃんが音楽に合わせて歌い出した。話しかけるきっかけ作り程度のつもりでやったが、まさかこれ程とは……。ギザミには感謝してもしきれない。
「テレレン、テレレン、テレレン、テレレン、テレテッテテン♪」
ルカちゃんの楽しそうな様子を見て嬉しくなる私。そして……。
「「上手に焼けましたぁ!」」
一緒に言った。嬉しそうに笑っているルカちゃんに、私は今焼き上げたこんがり肉を差し出す。それを見たルカちゃんは後ろを振り返り、にこやかに頷くクックを確認すると、私に「ありがとう!」と元気に言い、パクリと口に入れた。美味しそうに食べるルカちゃんを見てほっこりしてから、ギザミの方を見ると、私に向かって両のハサミでガッツポーズしていた。あとでちゃんとお礼しないとな……。