- 日時: 2014/03/31 18:08
- 名前: 翼の勇車 (ID: fn2aA.vI)
本編更新しまーす。
第十三話〜旧友〜
あれ以来、ルカちゃんとは仲良くなった。私に対してびくつかなくなったし、それなりに信頼もしてもらえてるっぽい。 「ヤッホー、遊びに来たよー」 「あっ、お姉ちゃんだ!」 普段はクックにくっついているけれど、私が来るとこっちに駆け寄って来る。お姉ちゃんって呼んでくれるのも、ね。 「お、カスヤン、ミズネエ、きよったな。ちょいと話があるんやけど……」 なんだかんだで一ヶ月近く密林に居座っているゲネッポが顔を出す。ホント、いつまでここにいる気だろう。 「さっき、ワイの手下の一匹が使いとしてここに来たんや。話によるとな? ハンターの入れん領域で、太古の塊やら何やら、色々と洒落にならん物がぎょうさん出てきたそうなんや。ワイらモンスターは使うどころか加工すら出来んし、貰ってくれん?」 これは嬉しい。太古の塊といえば、場合によってはとても強力な武器になる。それを沢山……。 「ゲネッポ、ありがとう!是非行くよ!」 そんなこんなで、再び砂漠へ行くこととなった。
~翌日~
「寒っ」 「はいご主人、ホットドリンクだにゃ」 以前来た時も、似たような会話をした気がする。ただ、今回大きく違う点が二つ。一つは夜に来ているということ、もう一つはモンスター総出できていること……。 「あれ? 砂漠は嫌なんじゃなかったの?」 「今は夜だからな。地底湖の水も増えるし、俺様も行けるってもんだ」 なるほど。そういえば行きたくない理由は、暑すぎて干からびるからだったね。 「ゲネッポ、その『洒落にならん物』ってのはどこにあるんだ?」 「巣においてあるそうや。それなりの量みたいやから覚悟しとき」 カスケの質問に答えるゲネッポ。ゲネポスの巣か……結構遠いな。 「まあ時間が押してるわけやないし、のんびりいこうや」 かくして途中で採取とかをしながらのんびりと行く二人と五匹。 「あーそうだ、地底湖寄って行きたいんだけど、どっから行きゃあいい?」 「お、泳ぐんかいな? せやな、こっちが近いわ」 そう言って洞窟へ入っていくゲネッポ。私達も続く。 「わあ……」 「綺麗だね、お姉ちゃん!」 目の前に広がる幻想的な地底湖に私とルカで感動していると、「はっ」という声が後ろから聞こえた。トトスだ。どうしたのだろう。トトスの見る先は湖の対岸。そこには、一匹のモンスターがいた。そのモンスターはこちらを見ると、にやりと笑った。 「久しぶりだな、トトス」 「レオ……」 そう呟いたトトスは次の瞬間、水の中に飛び込み、全速力で泳ぎ出した。レオと呼ばれた、ドスガレオスに向かって……。 |