- 日時: 2014/04/10 22:19
- 名前: 翼の勇車 (ID: P6lN2du8)
本編更新ー。ついに vsヤマツカミです。あーそれといまさらですが、超大陸出身以外のモンスターも独自の技持ってますよ。そんな、全部パターンだなんて自然界ではありえんでしょうて。
第十七話〜古龍の力と仲間の力〜
「さて、引き受けちゃったものは仕方ないけど……」 「なんでこんな所で……」 「モンスター達呼べないにゃ……」 私達は今、かつてない程のピンチに陥っている。まずは状況を整理しよう、うんそうしよう。ええと、今私達が居る場所、それは村からほんの少し、それこそ500メートルも離れていない岩場。そして後ろには私達の村が見える。村一番の高台の上には、無数にうごめく何か。村人だ。私達の戦闘を見たいと、皆が皆双眼鏡を覗いている。これではモンスターを呼べない。村人は村長ほど温くは無いのだ、後で何を言われるやら……。 現実逃避はこれくらいにしておこう。なぜなら、もうすでにヤマツカミと対峙しているのだから……。ヤマツカミは何気なくこちらを見ている。敵とも認識していないようだ。今は地面すれすれの所を浮いている。これはチャンス、私達はヤマツカミの脚(?)目指して走り出した。 「せやああぁぁぁ!」 「うおおぉぉぉぉ!」 「にゃああぁぁぁ!」 三人で同時に抜刀切りをぶちかます。私とネオの攻撃は弾かれたが、カスケ君の攻撃は効いたようだ、小さく鳴き声を上げ、触手を振り回して来た。 「うわっ」 私の頭すれすれの所を触手が通り過ぎる。凄まじい勢いだ、もろに喰らえばただでは済まない。さすが古龍といった所か。 「どうする? 全然効いてないみたい……」 「これじゃあ何日かかるか分かったもんじゃない。仕方ない、呼ぶか……」 まあ、いずれにしても呼ぶ事になっていたと思う。私達でどうにか出来る相手じゃ無いもんね。カスケくんが角笛に手をかける。その時……。 「カスケくん、危ない!」 「!?」 カスケくんに迫る触手。さっきのを上回る勢いだ。軌道からして、当たるのはカスケくんの頭。避けられそうも無い。周囲がスローモーションになり、私の頭の中ではカスケくんの無残な姿が連想される。嫌だ。私は咄嗟にカスケくんへ向けて走り出した。私は良い、でもカスケくんは死なせたく無い。こんな状況なのに変に冷静な頭の中で、どう足掻いても間に合わないという結論は出ていた。それでも走る。ネオの制止の声が聞こえた気がした。それでも走る。他の触手が私にかすり、血が出る。それでも走る。走る、走る、走る……。 「トトス・亜空間タックル!」 目の前に巨体が現れ、カスケくんを襲おうとしていた触手をヤマツカミの脚ごと弾き返した。それとほぼ同時に、何かにひょいと持ち上げ、背中に乗せられた。ゲネカクさんだった。カスケくんはゲネスケさんに乗せてもらったようだ。 「間に合ったか」 スケさんカクさんに運ばれている私達の隣で、滑空しているクックが話しかけてきた。ああそうか、私達はモンスター達に助けられたのか。振り返ると、トトスもこちらへ走って来る。 一目散に逃げた先には、ギザミ、ルカがいた。 「よかった無事だった……はい秘薬!」 ギザミから受け取った秘薬を飲むと、体力がすぐに回復した。 「……ゲネッポは?」 「野暮用で、ちょっと走っている。すぐに戻るだろう」 そっか、とクックに言うと、皆に向けてお礼を言った。 「おいおい勘弁してくれよ、いっつも当たり前に助け合ってんじゃんかよ」 今回は確実に命が危なかった。今までとは訳が違う。 「ギャオウ……ギャオウ……」 遠くから、ゲネッポの鳴き声が聞こえて来た。するとギザミが、「おっ、来るね」と言ってそっちを見た。私もそっちを見ると、遠くからドドドドド……という足音が近づいて来た。クックがニヤリと笑う。 「来たな、鳥竜種連合軍!」 |