- 日時: 2014/03/17 07:53
- 名前: †紅魔† ◆39JCODjUas (ID: j2KYr6sm)
第二章「漢、現る!」
今…確かに草むらが動いた。 多分野性のアイルーか、乱入モンスターだろう。 モンスターを倒した後でも油断は出来ない。 揺れた草むらに向かってとりあえず石ころを投げてみた。
ひゅーっ… ゴンっ。
投げた石は何かに上手く当たったらしい。 急いで草むらをかき分け、当たった物を確認すると、そこにはナルガ一式を着た青年ハンターと血だらけのアオアシラが倒れていた。
「…もしかして俺、二人共倒した?」
そんな事を言いながら青年の頬をぺちぺち叩く。
「…ん〜?あれ?オレさっき石ころが飛んできたから回避して…木に当たって…って、アンタ顔近いっスよ!?」
どうやら石ころは当たってないらしい。 いやー良かった良かった! 後からなんか請求されてもめんどいからね。 いや、それよりこいつ…顔に泥付きすぎじゃないか?
「ねぇ…キミ泥まみれなんだけど」 「ほぇ?あー…良いっスよこの位! それよりもアンタに頼みがあるっス」
頼み?初めて会ったばかりなのにいきなり頼みって何でだよっ!
「…で、どんな頼み?」 「オレのパートナーになってほししいっス!」
一回このガキしばき倒してやろうか。
「あ、ちゃんと理由はあるっスよ! 実はさっきのリオレイアとの戦い、見てたんスよ〜♪アサシンカリンガでレイア倒すって中々やるね!…で、オレはギルドマスターに頼まれてアンタのパートナーになるように言われたっス!」 「無理だと言ったら?」 「その場合ギルドカードの剥奪、そしてハンター業を一生出来なくなるっス」 「ハァ?何でだよ……分かった。なるよ。なれば良いんだろ。」
突然現れた青年とパートナーにならなければハンター辞めさせられるとか聞いたことねーよこんなの。 そんな事を思っていたら青年は自己紹介を始めた。
「オレは紅って言いま〜す!ほら、髪紅いでしょ?これが名前の由来らしいっス。歳は18ね!んで、武器は双剣を使ってて防具は主にナルガ一式着てるっス。一応これでもギルドナイトなんスよ〜。 まぁギルドバード着て仕事した事は一回も無いけど☆」
サラッと言ったがなんでそれでクビにならないのか気になる。 意外と規則は緩いのか、ギルドよ。
「…俺はアイ。ハンター始めたばかりで、歳は17だよ」
ちゃちゃっと自己紹介も終わらせ、ギルドに戻ろうとする…が、ここでネコタクのドライバー(アイルー)が困った顔で走ってきた。
「ニャニャ!?アンタは新米ハンターの…じゃなくて、大変ニャ!先程ジンオウガが乱入してきて、暴れまわってるニャ!しばらく帰れないかもしれないニャ!」 「え?まじで!?俺らしばらくここで待機するか〜…」 「…なーんだ、その位ならオレに任せてほしいっス♪」
「「え」」
紅はにこにこ笑顔で、鼻唄を歌いながら一人歩いていった。 |