- 日時: 2014/07/04 20:39
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: zZY14vZw)
クロスオーバー 7倍quasar×ダブルサクライザー
八章 流れ行く時と舞い躍る嵐
〜炎side〜 アマツマガツチが炎を引き寄せようと風を巻き起こすものの、炎は慌てることなく左肩の装甲の中に手を入れ、その銃を取り出す。 「ラケーテン・アイゼン(打ち上げの錨)」 引き金を引くと錨が飛び出し、近くに転がっている巨岩に引っ掛け、そこで炎を引き留める。 「ヴォアァァァァァァァァァァァーーーーー!!」 直後、アマツマガツチが凄まじい竜巻ともに舞い上がる。 その竜巻からアマツマガツチが離れてから、炎は攻撃を再開する。 トーデス・ブロック(死の塊)が通じないと悟った炎は、腰からベリオロス三頭との戦いで使ったハンドガンを連射する。 しかし、ベリオロスをも軽く沈める銃弾も、目の前のアマツマガツチの前では通じなかった。アマツマガツチが風の障壁を作り出し、銃弾を弾き返しているのだ。 「射撃では無理か……、ならば」 炎はハンドガンを納めると、右肩の装甲の中に手を突っ込み、それを引っ張り出す。 それは、円盤状の金属物体が、超硬度のワイヤーによって幾つも繋がれたモノだ。 グリップを握ると、炎は地面を蹴ってアマツマガツチに突進する。 アマツマガツチは再び水のブレスを放ち、炎を撃ち抜かんと迫るが、そんなものに当たるほど炎は鈍らない。 水のブレスをかわすと、アマツマガツチの風の障壁に飛び込む。 「オルトロス・ハウリング(魔獣の咆哮)」 右手に握ったそれを振り抜き、その質量によって風の障壁を突き破り、繋がれた円盤状の金属物体がアマツマガツチ頭に巻き付いた。 炎それを確認するや否や、グリップからの操作でワイヤーを切り離し、大きく飛び下がる。 一拍おいて、アマツマガツチの頭に連鎖的な爆発が巻き起こる。繋がれた金属物体に仕込まれた爆薬が炸裂したのだ。 その爆発が止むよりも先に炎は動く。 「エンへルノ・ゲーペイル(獄炎の剣)」 炎は背中の装甲から剣を抜き放ち、折り畳んだそれを展開する。この剣はとある港町を滅ぼした過去を持つあるモンスターの素材で、炎が独自の製法で作った剣。素材に凄まじい火属性を秘める故に、彼が持つ魔力を必要としない。 炎はそれを両手で構え、再びアマツマガツチに突進。切っ先を前に向けて強引に風の障壁を突き破る。 切っ先をアマツマガツチの黒い胸殻に突き刺し、引き抜く。 「もう終わらせる」 炎はその剣をアマツマガツチの頭目掛けて袈裟掛けに降り下ろし、返す刀で斬りかえし、その返す力で軸足を入れ換えながら回転、遠心力と共に逆袈裟に斬り上げる。この時点でアマツマガツチの角は二本とも折れている。 「失せろ」 炎はその剣を降り下ろした。 その直後、霊峰が火の海になりかねないほどの爆炎が広がった。
〜ユリ&冥花side〜
「そうだよね。土ばっかり良くしても、肝心の種がないと意味ないもんね」 ユリは最もな意見を出す。 「ってもどうすんだい?あたいは種なんか持ち歩いてないよ」 冥花はユリと農を見比べている。 「うーん、アストくん達に何か採ってきてもらわないといけないかなぁ」 ユリは難しい顔をする。さすがの農もこれではお手上げだ。 冥花はふと思い出したように声を張った。 「ちょっと待ってて、地の色んな物が入ってる箱からなんか取ってくるよ」 駆け足で農場を出ていく冥花。二人が見ているので、距離は葬らない。
「なんかあるでしょ、なんか……」 冥花はボックスの中に手を突っ込んで漁るように探す。 すると、種らしきものが見つかった。 青紫色、黄緑色、蒼色、黄色、紅色の五つだ。 キラキラキラバシュゥゥゥゥゥンッ
「……あたいは何も見なかった。種が割れて覚醒したように見えたけど、きっと気のせい、うん」 冥花はボックスを閉じると、その場を跡にして農場へ戻った。
〜地side〜
「グワアァッ、ガアァァァァァッ、グゥオォォォァァッ!!」 ロアルドロスは怒り心頭で地に攻撃を続けていた。 「あー、当たらねぇってもう分かるだろうよ。くあぁー……」 さすがにオーラを出し続けて少し疲れたのか、オーラを消して欠伸をもらす。 それでも攻撃はスレスレで回避するのだ。 いつまでエリア回ってんだよ、と地は悪態をつこうとした、その時だった。 地とは反対側からボウガンの弾が飛来し、それがロアルドロスにぶつかると爆発を巻き起こす。 「ん、拡散弾……炎の奴じゃないな。ということは……」 その爆発を口火に、ギザミ装備を纏った太刀使いのハンターがロアルドロスに接近する。 「すいません地さん、遅くなりました」 そう言いながら、そのハンター、ツバキはロアルドロスの後ろ足に鬼斬破を振り抜き、雷を放つ。 ロアルドロスは敵がようやく攻撃したと思えば、仲間が来たのだと悟り、さらに暴れまわる。 「うわっ、えらい狂暴な奴だな……!?」 ツバキはロアルドロスの振り回す尻尾を回避しながら距離を取る。 「(俺が怒らしたんだけどな)」 ニーリンと言っていたヘビィボウガンナーはどこだと、地は見回し、見つけた。 彼女は茂みの奥の奥に隠れて、長距離からの狙撃を行っているのだ。 「(ロングレンジシュートか?あんな撃ち方すんの炎だってしねぇぞ?)」 最も、炎の場合はこそこそ隠れるようなことは、する必要もないのだが。 「待ちくたびれて死にかけてたよ。さぁて、そろそろ殺るか」 地は背中に納めていた月穿ちセレーネを展開した。
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