- 日時: 2014/07/06 14:17
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: a/j.291p)
クロスオーバー 7倍quasar ×ダブルサクライザー
九章 青熊獣アオアシラ
〜アストside〜
まずは一撃。 無防備なアオアシラの尻に炎斧アクセリオンが襲う。 肉質はかなり柔らかいのか、滑り込むよう切っ先が走る。 「グギャアァッ?」 アオアシラはハチミツを溢し、慌てて振り向く。 そこにいたのは、自分を攻撃してくる人間が一人。 セージは既にアオアシラの懐に潜り込んで背後に回っていた。 「間抜けニャ」 ラギアネコアンカーを振り抜いて斬り裂き、突き刺し、肉を抉るように深く斬り抜く。 炎と雷に囲まれて、アオアシラは忌々しげにその尖った突起の生えた前足を振り抜き、振り抜き、振り抜く。 しかし、緩慢な動きであるそれはアストに簡単に見切られ、セージに至っては攻撃しながら常に背面に回り込んでいる。 (大したことはない。でも、油断はしないでいくか) アストはソードモードでの斬撃を繰り返し、盾にエネルギーを供給する。
〜残妖side〜
残妖はカトリアと共にアストとセージの後に続く。 地から譲ってもらったこの刀、というよりは両手剣、ラスティクレイモアを鞘から抜き放つと、地面を蹴って接近を図る。 アストがその赤い剣と盾を合体させたと思うと、それを斧のようにして振り回している。 「グギォォォ!?」 アオアシラはその炎と重々しい一撃に仰け反る。 隙が出来た、と斬妖は一気にアオアシラの懐に潜り込み、そのラスティクレイモアを振り抜いた。 「でぇいぃっ!」 あくまで、己の剣術をこの太刀に応用した型。同じようなモノを扱うハンターからすればそれは異様に見えるだろうが、それが残妖の普通であり、戦い方である。 頭の上から足の裏に降り下ろすのではなく、袈裟懸けや水平斬りなどを用いる。片手で振り回せるモノではないのでどうしても自流の剣技と違和感は否めない。 それでも地の掘り出したと言うこの太刀は、その異常なまでの斬れ味を発揮し、腹だろうが硬そうな前足だろうが滞りなく刃を通す。 残妖の攻撃に気付いたアオアシラは、後ろ足で立ったまま彼女に向き直る。 そして残妖はそこで初めて気付く。 地が戦っているのを遠巻きに見ているのとは違う、眼前で見る者こそ分かる、そのアオアシラの圧倒的な威圧感と生命の脈動を感じることを。普段から相手にしていたモノとは違う、リアルな脅威は残妖の足に枷をつけるに十分だった。 「グロオォォォォ」 アオアシラは足を止めてしまった残妖にその前足で抱きすくめるかのように振り抜く。 「残妖さんっ!」 咄嗟にカトリアが残妖を押し退け、身代わりにアオアシラの前足を喰らう。 押し退けられた残妖は、アオアシラの攻撃で吹き飛んだカトリアを直視していた。 「ッ、カトリアさんっ」 常人が喰らえば身体がバラバラになるのではないかと言うほどあんな攻撃を受けていながら、カトリアは平然と立ち直る。 「いったた……」 カトリアはアオアシラに攻撃された部位ではなく、むしろ吹き飛んで地面を転がった時にぶつけた背中を擦ろうとしていた。 すぐにセージが駆け付けてくる。 「カトリア、大丈夫かニャ?」 「うん、大したことじゃないよ。残妖さんも大丈夫?」 追撃してくるアオアシラの攻撃をかわしながら残妖の無事を確かめる。 「は、はい……」 残妖はやはりこの世界の人間のタフさに舌を巻いた。
〜霊華side〜
「さて、次はあの売店の娘ね」 ハンターズ・ギルドの受付から離れると、その少し奥の売店らしき所へ向かう霊華。 今店番をしているのは、シオンと言っていた少女だ。キャラバンと言う集団の中で財政管理などもしているらしい。 「いらっしゃいませーっ!」 霊華が立ち寄ると、シオンは無駄に元気よく挨拶する。 「あっ、えーっとレッカさんでしたっけっ?」 「……、レッカじゃなくて霊華よ、シオン・エーテナ?」 「ほわわっ、失礼しましたーっ」 シオンからすれば漢字と言う文化を知らないのだろう、一度名前を見せたからと言ってもかえってややこしくなったのかもしれない。 「それでっ、本日は何をお買い求めでしょーっ?」 「いえ、何か買いに来たのではなくて、少しお話をね」 まぁ、他にも回るので手短にするつもりである。 「そう言えばっ、残妖さんはレッ……霊華さんのことを「様」って付けてますけどっ、どういう関係なんですかっ?」 なるほど、自分と残妖の関係について知りたいらしい。 霊華はボロが出ない程度に簡単に答える。 「えぇそうね、私と残妖は主従関係に当たるかしら」 「ほぇーっ、そうなんですかっ」 「どうでもいいけど、あなたって無駄に元気ね」 本当にどうでもいい。元気が無いよりはある方が良いに決まっているが、シオンはいささか元気過ぎだ。 「元気があれば何でも出来ますからねっ!新しい環境も上手くやれますよーっ」 胸を張って答えるシオン。 それから少しの間、会話に華を咲かせてから霊華は集会浴場を後にした。
〜ツバキside〜
「(一分でやれって、無茶苦茶言う人だな……)」 ツバキは怒り狂うロアルドロスの攻撃を掻い潜りながら、鬼斬破を放っていく。迸る雷は海綿質の皮を斬り裂き、焼き焦がす。 あくまで基本に忠実に、正確に。 比較的肉質の柔らかい部位は頭と首回り、それと尻尾だ。 「狙うなら、尻尾だな!」 ツバキは水没林の水溜まりを蹴りながら一気に肉迫、尻尾に鬼斬破の刃をねじ込ませる。 そのツバキの回りを彩るは、拡散弾の爆発。 「グワァァァァア!?」 爆撃と雷斬がロアルドロスを挟み撃ち、ロアルドロスは苦しげに呻いた。 「ほー、なかなか」 あと二十秒、と地は時間を数えながら二人の連携を見て頷く。
〜ユリ&冥花side〜
とにかく、赤の種を植えたので、一旦畑仕事は終わる。 「次は……魚釣りでもしよっか?」 ユリは冥花と農に、川と繋がっている桟橋を指す。 「魚釣りねぇ……また退屈なことじゃないか」 正直、昼寝したいのが冥花の本音だったが、誰かさんに怒られそうなので昼寝はしない。 「僕はこの畑に水をやってからにするよ、二人は先に行ってていいよ」 そう言うと、農は水をやるに至って現状で最適な状態を模索する。 ユリは桟橋を管理しているアイルーに声をかける。 「ねぇ、ここの魚釣りの道具とかエサは、どこにあるの?」 寝転がっていたアイルーはユリの声に気付いて慌てて起き上がる。 「ニャ、竿は向こうに。エサはこっちで用意するニャ」 アイルーが指した方に、釣竿が幾つか立て掛けてある。 そしてアイルーはエサの入った箱を用意してくる。 その箱の中を見て、ユリは顔を真っ青にして絶句する。 中には、さっきも何度か見たミミズだ。が、うねうねと何匹ものミミズが狭い中を蠢いているのだ。 「こ、これを掴んで、エサにするんだよね……?」 今更になって躊躇するユリ。 魚釣りも大変になりそうである。 |