Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!( No.1028 )
  • 日時: 2014/07/09 17:08
  • 名前: 布都御霊剣 ◆Mp0wNgpgF6 (ID: dwRb7DkJ)

モンスターハンター「焔の詩」 サイドストーリー 微笑は風と共に1章-3
父さんに導かれ、地下室に行った。
そこで父さんが言っていた事は、今の僕には到底理解できるものではなかった。
数日たった今でさえ、頭が混乱している。
腑に落ちない点だっていくつかある。
かつての文明の英知――果たしてそんな物が実在するのだろうか?
実在はするのだろう。僕から見た父さんは、少なくとも無いものを隠すような無駄な事はしない。もっと、合理的な人のはずだ。
実在すると仮定したところで、解らない事が多すぎる。
いったい、どうすればいいのだろうか・・・・・・
その判断が、自分の未来を大きく左右する事はなんとなく解っていた。
それ程重大な分岐点にいることは、感じ取っている。
解らない時は、答えが出るまで行動しなさい。
そうだ――何事も行動しなければ始まらない。いつまでも悩んでいたって前には進めない。
お婆ちゃんは、そう言っていた・・・・・・
だったら、確かめるしかない。
廊下へ飛び出し、父さんの部屋まで走る。

何度立ち止まろうとしただろうか。
何度後ろを振り返ろうとしただろうか。
何度後戻りしようとしたんだろうか。
だが、それでは前に進めない。
全ての迷いを振り払うかのように、廊下を走り抜ける。
程なくして、父さんの部屋の扉にたどり着いた。
この扉を叩くか、叩かないか。
最終意思確認だ。
この扉の向こうに、答えがある筈だ。
それを行動が証明してくれる筈だ。
覚悟を決め、扉を叩く。

扉を叩き、部屋に入るなり複雑な顔で「それが答えか・・・・・・」と言われた。
その決断に後悔は無いな? 口では言っていないが、目がそう言っている。
「お婆ちゃんから・・・・・・教わったんです! 解らないからって、苦しいからって、諦めちゃいけないって! 例えそれがどんなに残酷な事でも・・・・・・それを受けてめられる強い人間になれと!」
父さんはこの答えに微笑した。
「やはり適わんな・・・・・・いいだろう。“鍵”を託そう。ついて来なさい」
そう言われ、部屋の奥へ進んだ。

「今ならまだ、戻れる。今一度問う。我が一族に課せられた重責を背負う覚悟はあるか」
天井の絵を指差し、そう言う。
その絵は、天空を貫くほどの長さを持った柱。そして、剣を口にくわえた、翼の生えた蛇が、その柱に巻きついている。そんな絵だ。
「これが我が一族の家紋――これを背負う、その覚悟を問う・・・・・・とはいっても、その目が揺らぐ事はない・・・・・・か。いいだろう。その背中に“星の世界へ手を伸ばす柱”、“可能性の剣”、“希望の翼”、そして“意思と言う名の蛇”を刻もう」
背中を出しなさいと付け加え、父さんが何かを探し始める。
言われた通りに背中を出し、その間に見つけたのかそれを背中に当てた。
背中を押されるような感覚がしたのも一瞬で、痛くも痒くも無い。
「・・・・・・これで、この家の秘密は託した――もし、使うときが来たらあの扉の前で叫べ。“リブート”と。昔の言葉で、再起動を意味する」
僕は頷き、「ありがとうございます」と言ってその部屋から出た。