- 日時: 2014/07/11 13:43
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: sqJ2wKJD)
クロスオーバー 7倍quasar×ダブルサクライザー
十二章 終わりなきを終わらせる戦い
〜炎side〜
聖の火砲から灼熱と見紛うばかりの光線が炎を襲う。 しかし、炎にはその光線が「見えている」ために、それに当たることはない。 一瞬で距離を葬り、聖のすぐ後ろまで回り込む。 「ブラスト・シュラーケン(爆発粉砕)」 炎の右の拳から光が放たれ、その光速の拳が聖の背中を捉え、爆散させた。 しかし、炎は歯噛みする。 「喰らうと分かっていて、わざと避けなかったな……!」 そう、聖はまた肉体を移し変えたのだ。 すると、聖は今度は西洋の騎士のような出で立ちで現れた。 「(だが、今のブラスト・シュラーケン(爆発粉砕)で分かった……俺の力の一部は、奴の中にある)」 この際、核の破壊は最後でいい。今は力を取り戻すことが最優先だ。 「いいだろう。本気は出さないが、俺の力の少しは示してやる」 炎は三再び聖に突進する。
〜ミナーヴァside〜
カトリア達女性陣は、早速温泉に入ろうとしていた。 地は現実逃避でもするかのように依頼を受けに行き、アストとセージ、農は部屋でまってもらっている。 皆が皆、湯浴着を着けて更衣室を出ていく中、ユリとツバキだけが遅れて入り、まだ更衣室から出てこない。 「わははーっ、温泉ですーっ!」 シオンは無邪気そうに走って温泉に飛び込もうとする。 「はぁい、シオンちゃんストップですよぉ」 そんなシオンを引き留めるのはルピナス。 「ちゃんとぉ、身体を洗ってから入りましょうねぇ」 そのままシオンを捕まえて座らせると、石鹸を泡立てたタオルで彼女の背中を擦る。 エリスとマガレットもそれに倣って、身体を洗うことから始めていき、残妖も霊華の背中を流している。 「ユリとツバキ、遅いねぇ。何してんだか?」 ライラはカトリアと一緒に更衣室の前で待っていた。 「ツバキくんは、色々苦労してるみたいだからね」 先程からツバキ本人から話を聞いていたカトリアは、彼を否定できない。 なぜなら、ツバキ・セルジュと言う人物は…… 「お待たせです」 更衣室のドアから、ユリが出てきた。 その後ろから、恥ずかしそうに身体を腕で隠そうとしている、湯浴着姿の彼女、ツバキがそっと現れる。 それを見て、ライラは目を見開いた。 「ツバキ!?アンタ、女だったのかい……」 「は、はいぃ……」 ツバキは俯きがちに、いつもの爽やかな声ではなく、鈴のなるような女の子らしい声で答える。 ツバキが女の子だと知っていたのは、アストとニーリン、セージぐらいだ。 「ほら、ツバキくん。早く身体洗って温泉入ろうよ」 ユリがツバキの手を掴み、引っ張っていく。それに恥ずかしがりながらもツバキもつられていく。 それを見送るカトリアとライラ。 「んじゃ、アタシ達も」 「行こっか」 ツバキが女の子だという事実は浴場中に騒がれた。 温泉の中には既にニーリンが浸かっており、酒をあおっていた。 「ふむ、これもまた一興一興……」
〜地side〜
「あぁぁぁぁぁぁ、どうしようやべぇ。炎帰ってきたら俺死ぬとかマジ洒落になんねーわぁ……」 地は渓流を歩きながらも頭を抱えていた。 あの炎のことだ。 殺されはしないと思うが、肉体的にも精神的にもえげつないことにされるのは間違いない。 「あーもう、どっかの神様が炎の邪魔して、その炎の力を世界中にばら蒔いて時間を稼いでくれぇー」 そんなこと有り得るわけねーだろと、自分で自分を突っ込む地。 「ゲェェェェ、クワォェェェェェ!」 ふと、縄張りに入ったのか、クルペッコが地を威嚇してくる。 開幕一番声真似をしようと喉袋を膨らませるクルペッコ。 「ゥワオォォォォォ……」 「あーうるせー」 地は矢を矢筒から抜き放つと、そのままクルペッコに投げ付けた。 それは見事にクルペッコの喉袋を突き破る。 「グワォェェェッ、グゲェェェェ!?」 大事な発声器官を潰されたクルペッコはその場でのたうち回る。 「ギャーギャー騒ぐな」 地はのたうち回るクルペッコの頭を踏みつけると、その場で何度もストンピングする。 一度踏まれるごとに、地面に頭がめり込んでいくクルペッコ。 「ゲェッ、ゲェッ、ゲェェェェェェェ……」 踏まれただけで頸椎を破壊されたクルペッコはその場で動かなくなった。 「あー炎〜、俺が悪かったよー。だから許してー」 地は深く溜め息をつきながら、渓流を後にしていった。 無論、依頼は達成である。 |