Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!企画考案中!( No.1038 )
  • 日時: 2014/07/12 14:57
  • 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: 6m7BJnDP)

 クロスオーバー 7倍quasar ×ダブルサクライザー

 十三章 竜の訪れる秘湯

 〜アストside〜

「俺達の話って言っても……つまらないかも知れないですよ?」
「それでも構わないさ。つまらないことでも、意味のないことは無いよ」
 話すことに意味があるんだよ、と農は答える。
「んじゃ、話すか……。俺達は、元々は大陸各地を歩いて回るキャラバンなんです。そのために船や飛行船も作ったし、その度にモンスターと戦ってきました。旅をすることで仲間も増えましたし、色々な経験にもなりました」
 アストは脳裏に、このユクモ村に来るまでの過去を思い出しながら話始める。
「キャラバン、つまりは商隊のことだね。君達のその旅の目的はなんだい?」
 農は興味を持ったのか、質問をしてきた。
 旅の目的……。
 最初は宿のためにキャラバンに参加させてもらった。しかし、一緒に時間を過ごしていく内に、宿のためというちっぽけな目的など忘れ、目の前の障害や困難を仲間と打ち破るために今ここにいるのだと自覚をしていた。
 そして、カトリアの口から放たれた、この旅の真の目的。それは、シャガルマガラとの決別。
 カトリアは、シャガルマガラとの決別をしなければ本当の意味での旅は始まらないと言っていた。
「……、カトリアさんが言っていたんですけど、あるモンスターとの決別なんです。それが終わってから、もう一度旅を再開して、それからまた別の目的を探していくんだと思います」
 アストは淡々と答えた。
「そっか、果てのない旅なんだね。僕は、記憶がないからどうとも言えないけど、世界は広い。ヒトが想像する以上に。生きている内にすべてを知るのは不可能だけど、そのなにかを渇望する夢は羨ましいな。今の僕にはないものだから」
 農はふと自嘲するように息を吐いた。

 〜地side〜

 孤島。
 地は秘湯を求めてこの地へやって来た。
 そのために、まずは大型モンスターを狩って安全を作らなければならない。
 しかも、ちょうどこの時期は繁殖期。探せばいくらでも大型モンスターがいるだろう。
「さて、最初の相手は……」
 エリア5。
 そこに、巨大な姿が見えた。
 それは、アオアシラなのだが、異様に巨大な体躯をしている。
 恐らく、普通のアオアシラの三倍はあるだろう。
「グロオォォォォォォ!」
 アオアシラは両腕を上げて地に威嚇する。
「おっ、プーさ……っと、アオアシラだな」
 どこかの黄色くて赤い服を着こんだクマさんを思い出した地だが、すぐに忘れる。
 地はとりあえず月穿ちセレーネを展開させた。
「俺今ハチミツ持ってねーんだわ。お前を吹っ飛ばすものならたくさんあるんだけど」
 黄金の焔の嵐が、アオアシラを焼き尽くしていく。

 〜残妖side〜

 残妖は霊華の背中をゆっくり流してやると、彼女の桃色の髪も丁寧に洗う。
「さっ、霊華様。終わりましたよ」
「ありがとう残妖。次はあなたの番ね」
 霊華は立ち上がると残妖に向き直る。
「いえ、私は自分でやりますので。霊華様はお先に温泉の方へどうぞ」
 残妖は遠慮、というか畏れ多いのでさっさと自分の身体を洗おうと動こうとする。
「残妖、洗わせなさい」
 霊華は声を強くして残妖に迫る。
 何故か妖しい気を感じられたため、残妖は「お、お願いします」と霊華に背を向ける。
 霊華は「素直でよろしい」と頷くと、残妖の背中を流していく。
「(れ、霊華様に背中を流してもらうなんて、この先一生無いかも……)」
 ドキドキしながらも残妖は背中を擦られる感覚を感じていた。
 しかし、霊華にしては妙な態度だ。そう思うのは失礼かもしれないが、残妖の中でほんの少しだけ猜疑心が生まれる。
「残妖の背中、残妖のお肌、妖……残妖の白玉のようなお肌……残妖の……」
 背中から、妖しい声が聞こえてくる。
 何か嫌な予感しかしない。
 不意に、霊華の手が残妖の前に伸びて、湯浴着越しに彼女のなだらかな身体に食いついた。
「みょんっ!?」
 残妖はすっとんきょうな声を上げる。
「残妖のつるぺた、残妖の控えめ、残妖の……」
 霊華は妖しく瞳を輝かせて残妖のなだらかな二つのそれを揉む。
「みょんんんっ……!れ、霊華しゃまっ、やめ……っ、んみょぉんっ……!?」
 残妖は必死に抵抗するが、力が抜けてしまい霊華の手がはがせない。
「こっ、こここっ、こら霊華さんっ!えっちなことはしちゃいけませんって言ったでしょう!?」
 それを見てカトリアが慌てて霊華をやめさせる。
 霊華の手が離れるころには、すっかり残妖は骨抜きにされていた。

 〜炎side〜

「(一か八かだが……悪くない賭けに出るか)」
 炎は聖の放つ拳から逃れて一旦距離を取った。
「さぁ、そろそろ終わらせようか?」
 聖も空間を葬って一瞬で炎に接近する。
 彼の拳が炎を砕かんと迫る。
「見えているぞ」
 炎は聖の拳を寸前で避け、懐に潜り込む。
「はぁっ!!」
 炎はその聖の鋼の肉体に手をぶちこむ。
 聖の肉体を貫き、彼の体内を探る。
「無駄だよ」
 聖は懐にいる炎にニーキックを放つ。
 だが、炎は怯まずに手繰り寄せる。
「これかっ……!」
 炎はなにかを見つけたのか、それを掴んでもぎ取った。
 それは、光の塊だった。
 それを見た聖はひどく動揺した。
「貴様、それは……!?」
 炎はその光の塊を握り潰し、身体に包ませた。
「完全ではないが、貴様を葬れるだけの力は戻った。これで終わりにしてやる」
 炎は一瞬で距離を離し、剣を抜き放った。
 その構えは、時を止めるモノだ。
「タイムストップ」
 その瞬間、この時空は炎が支配し、聖は完全に停止した。
「ロスト・オブ・イクシテンス(存在の消滅)」
 炎はその剣を聖の肉体に突き刺し、暗黒の焔を放つ。
 黒き焔が聖の肉体を包み込み、闇の中へ消えていった。