- 日時: 2014/07/15 12:11
- 名前: 7倍quasar ◆FGU2HBsdUs (ID: GX5DoC5F)
クロスオーバー 7倍quasar ×ダブルサクライザー
十五章続き
〜炎視点〜
自然というものは時に美しく、時に残酷だ。 それに抵抗しようとしても、圧倒的な自然の力を前に意味をなさない。 「…」 ゆっくりと歩いていた炎の前にひとつの光る玉が現れる。 その光の玉を炎は…握りつぶした。 「俺の力…まだどっかにあるのか」 それはあの時と同じ感覚だった。聖の体内から見つけた時と…。 まだ自身の力は完全に戻っていない。不安定な力を使ってしまえば予想外な出来事しかおきない。 すでに一時的に回復した力は失われている。どの力も使わないほうが身のためだ。 「…眠い」 あれこれ考えていたのだがそれ以上に眠気が襲う。 この世界に来るまで…10日間は寝ていない。別に問題はないのだがさすがに休まないと体が持たない。力を失っているため疲労がいつもよりどっと感じる。 それに地も休めといっていた。 「…野宿か」 適当に寝れそうな場所を探し始めた。
〜凍土〜
「…終わったよな?」 凍土に溜まる死骸の山…それはまた孤島のときと同じく、燃やされていった。 地はしっかりと氷を確保していた。 「…もう帰るやだぁぁああああああ!!!」 ダッ!!!!! 地の姿は…一瞬で消えた。 その速さは炎の持つ瞬間移動と同等の速度…限界まで追い詰められた時、普段以上の力を発揮する…のだろうか。
〜集会浴場〜
「ゼェー・・・ハァー・・・」 へろへろになりながらも帰宅した。いつも以上の力は体力の消耗が激しい。 まず地はギルドの受付へ行き、大量の素材をどさっと置いた。 「俺が出かけてから…狩猟したモンスターの証…!」 それ以上はいわずにその場から去る。依頼にないモンスターの素材が大量に残された。
次に地は番台をしているアイルーのところへ行く 「…これを温泉にいれてくれ…。命からがら取ってきた」 「ニャ?!これは…凍土の氷と孤島にある幻の秘湯!!」 アイルーは驚いていた。凍土の氷はそこそこの腕でなんとかなるのだが、孤島の秘湯は…一流のハンターでなければ得ることは困難。というよりその場所がどこなのか未知なはず…。 命からがらということは苦戦したのだろうとアイルーは思っていた。もっとも、この命からがらは炎にぶち殺される恐怖を感じつつ、ということらしい。苦戦はしていない。 それを渡すと地はよろよろしながら部屋へと向かう。 「あれ?地さん、帰ってきたのですか?」 農はすれ違いに地へそういったが地は何も言わずにふらふらっと部屋へ歩いていった。 その表情は…真っ青だった。 「…行くときより重傷になってないかニャ」
〜部屋〜
「…。」 「あれ、地さんなぜここに…」 「…。」←そこのいて。と手で動作 残妖の言ったことに何も返さず、アイテムボックスのとこへいく。 そして… ガシャーン!!!!!! 「「!!?」」 何かをそこへぶち込んだ。何かと言っても一つではない。大量に何かを入れた。 「…カトリア」 「は、はいっ?!」 地は…本気の時と同じ、いやそれ以上にドスのきいた声でカトリアを呼ぶ。 「このボックスに武器、防具、素材、食料、金、その他もろもろぶち込んで置いた…自由に…使え」 それだけ言うとまたふらふらと集会浴場の方向へ歩いていった。その様子は…まるで倒れかけの人間。 出かけた時より真っ青になっている地…一体何があったのだろうかとほとんどの人が気にしていた。 …一部を除く。 「…忘れていた、温泉の質を上げた、混浴上等なら別に来てもいいぞ?」 炎への恐怖のあまり温泉の質を上げたことを忘れていた。 |