- 日時: 2014/04/29 11:31
- 名前: 翼の勇車 (ID: bMHDJrWl)
ええい! このスレの本質を見失ってたまるかぁ!
第二十七話〜怪虫組(モンスターバグズ)〜
「おまえらも来とったんかい……」 ゲネッポがため息混じりに言う。 「ったりまえじゃないの! せっかく面白そうな事があるのに参加しないなんてアタイの名が廃るわ!」 「やから、危険な場所来るのに面白そうとか言うなや」 カスケ君もため息をつく。知り合いのようだ。 「お嬢さんたちごめんなさいね〜、すぐにやめさせるから〜」 私達に向かい話しかけるゲネル・セルタスの声にアルセルタスが頷き、仲裁に入った。 「とりあえず落ち着こうか二人とも。そんなことより、さっさとしないとクックとルカが起きるぞ」 「! せやった、早う飲ませな……」 見事に話をそらしたアルセルタスに内心称賛をおくりながら、ゲネッポに目をうつすと、自らの唇を少し切り、血を数滴二人の口にたらした。 「これでウイルスは死滅するはずや。ああせや、一応ザザヤンも飲んどき、克服しても体内に残っとるやろ」 「あ、ボクは大丈夫だよ。たぶん皆にも感染しないと思うし」 「? せやか、ならええわ」 「あのー……」 全くもって状況が飲み込めない私(とネオ)を見るアルセルタス。私は大丈夫だけど、虫が苦手な人だと結構きついものがあるよね、これ。 「おっとスマンスマン、挨拶が遅れましたな。俺はアルタス。見ての通りアルセルタスだ、よろしくな」 優しい親戚のおじさんという印象を受けました。複眼なのに目も優しそうに見えるし。 「私は妻のゲルタスよ〜、よろしく〜」 おっとり声は何か落ち着くなあとか考えながら、親戚のおばさんもといゲルタスさんを見る。ゲネル・セルタスは、同種のオスであるアルセルタスを携帯食糧のように扱うと聞いたが、この人(親戚臭プンプンのこの夫婦を、モンスターだなんてもう呼べない)はそうは見えない。 「私は生まれてこのかたアル一筋よ〜」 「俺も、ゲル一筋だ」 私の心の声を読み取ったように喋る二人。ゲルタスさんをゲルと呼ぶのは正直どうかと思うが、本人も気にしていないようなのでいいんだろう。 「んでもって! アタイはランコ、ランゴスタ一族の後継者よ!」 名前がランとややこしいですランコちゃん。よくよく見ると、普通のクイーンランゴスタより一回り小さい。まだ大人じゃないということか……。 「あらっ」 ランコちゃんの声が少し高くなった気がするんですが。 「大名様ー!」 大名? ダイミョウ……ダイミョウザザミ……ギザミ。あぁー、なるほど。 「おっふ……」 何気に私の後ろに移動してヤドに篭り、プルプル震えてた。なにこれ可愛い。そんなギザミに飛びつくランコちゃん。またゴタゴタの予感です……。 |