- 日時: 2014/04/29 16:52
- 名前: 翼の勇車 (ID: bMHDJrWl)
本編更新です。キャラ紹介書く前に狂竜病のくだり終わらせたいので。
第二十八話〜うるさいクイーンランゴスタ〜
「大名様心配しましたわぁー!」 「ああぁぁぁ! ミズキ助けてぇぇぇ!!」 そんなこと言われても相手は仮にもクイーンランゴスタ。ごめんなさい。 「ところで……」 カスケ君がゲネッポに話しかける。 「さっき血を飲ませたのはなんでだ? 抗体でも分けたのか?」 「ん、まあそんなとこや。狂竜ウイルスに効く成分があってな、これはウイルスに慣れている体で生成されるモンなんや。それを飲めば、体が覚えてそれを造るって寸法や」 なるほどそういうことか。それなら今後、この二人がまた狂竜化することもない……か。 「あれ、そういえば、なんでアルタスさん達は大丈夫なんですか?」 「ああ、俺達は超大陸のゴアの知り合いだ、慣れてる」 「アタイは前に狂竜化して、誰かさんの血をいただいたわ」 誰かさんとは多分ゲネッポの事だろう。ランゴスタはモンスターの血を飲むから、もしかしたら当人の任意では無かったのかもしれない。だってほら、さっきからゲネッポの目がヤバいもん。 「うう、ここは……」 「ふぁ! チクって、なんかチクって!」 クック達が起きた。チクっていうのはたぶんランコちゃんの針だと思うけど、寝起きでそのリアクションは可愛いですルカちゃん。 「! そういえば……ミズキ、カスケ、ゲネッポ、ギザミ、大丈夫か!?」 どうやら狂竜化している時の記憶はあるようで、自分らが攻撃を仕掛けた私達の心配をしたようだ。 「うえええぇぇぇん、おねえちゃんごめんなさぁぁい!」 ルカが泣きながらよたよた歩いてきた。大丈夫だよーと宥めながら何となくギザミを見ると、全力のガッツポーズ。……ギザミ、色々ありがと。 「!?ギザミ、その腕まさか……」 ガッツポーズのために掲げたハサミを見て、クックが困惑する。どうやら記憶は完全では無いらしい。……こんなに動揺するクック始めて見た。 「あ、ああ……ゴア・マガラとの戦闘でね……」 嘘だ。これはルカの突進でついたヒビだ。ただ、ルカ達を落ち込むませないようにするために嘘をついたのだろう。 「そうか……」 まだ完全に信じたわけではなさそうだが、ギザミの意図を汲み取ったようにルカの方を見、頷いた。 「ちょっとちょっとぉ! とめたげたのはアタイ達なんですけど!」 「うん、とりあえずお前は空気読もうな、シリアスぶち壊したの自覚しような」 ランコちゃんの声に安定のツッコミを入れるアルタスさん。よくぞ言ってくれました。その後も保護者ポジションお願いします。 「おっとすまない、おかげで大事にいたらずに済んだ、ありがとう」 「ったりまえよ! 恩に着なさいよね!」 ランコちゃんが胸を張るように胴体を突き出す。虫の彼女に《無い胸を張る》が使えないのは分かってる。 |