- 日時: 2014/04/29 20:09
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: 43TuwrpU)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
序章 歪んだ夢の中へ
アストside
「ふぅー、さっぱりっと……」 いつものように、入浴を終えたアスト。 それにしても、バルバレでカトリアに拾われてから、ずいぶんメンバーが増えた気がする。 カトリア、エリス、ライラ、ルピナス、シオン、マガレット、ニーリン、ユリ、ツバキ、セージ……皆、かけがえのない仲間達だ。 これからもずっと、彼女達と旅を続けられたら、と思う。 さすがに眠くなってきた。他の皆、ライラもそろそろ眠るだろう。 「俺も寝るかな」 蝋燭の明かりを消して、ベッドに潜り込み、目を閉じる。 徐々に意識が微睡んでくる。 そういえば、今日はシオンがこんなことを言っていた気がする。 「アイルーとかは別にしてっ、喋るモンスターとお喋り出来たらたのしそうですよねーっ」 そんなわけがあるか、と皆して笑ったものだ。もちろん、シオン自身も分かっているだろう。 だとしても、夢の中だけでもそんな世界があったら楽しそうだ。 そう思いながら、微睡みの中に意識が沈み、アストは眠りに落ちた。
頭の、中が、混濁、する。 何、だろうか、この、奇妙な、感覚、は。 夢、の世界、だとしても、ここまで、無理解な、夢は、初めて、かも、しれない。 空間が、歪み、意識が、浮き上がって、くる。 「…………ん、………くん、…ストくん、アストくんっ!」 誰かが、呼んでいる。 もう朝になったのか? アストはその聞きなれた呼び声に反応する。 「……ん、……カトリア、さん?」 目を開けると、そこにはとても心配そうな顔をしたカトリアがアストの顔を覗き込んでいる。 「あぁ、よかったっ、アストくんっ」 カトリアは安堵した表情をする。 「おはようございます、カトリアさ……って、えっ?」 本格的に覚醒してきた脳で辺りを見回す。 ここは、自室のベッドではない。 どこかの狩り場のベースキャンプのようなベッド、というかそのものだ。 「カトリアさん?ここ、どこですか?俺、自室で寝てたはずなんですけど」 「うぅん。それが、私にも分からないの」 カトリアは首を横に振った。 「アストくん、カトリアさん」 誰かが駆け寄ってくる。あの黒髪は、ユリだ。 改めて周りを見ても、どう見てもここはベースキャンプだ。 波打ち際に接岸され、小さな船そのものがベースキャンプとなっているような形だ。 「カトリアさんに、ユリ……他の皆は?」 ここには、カトリアとユリ以外誰もいない。 何が、どうなっているのだろうか? |