- 日時: 2014/04/30 20:19
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: cFIcqS1F)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
三章 暴れん坊と良識派
ニーリンside
戦闘を開始して、どれくらいが経っただろうか。 何故か持っていた火炎弾や拡散弾や貫通弾は撃ち尽くし、残るは通常弾のみとなってしまっていた。 「ったく、君はどれだけタフなんだい?こっちはそろそろ打つ手が無くなってきたぞ?」 そんな余裕そうに見せているニーリンだが、その内心は穏やかではなかった。 (相手は上位、いやG級か?だとしたら私がそもそも相手にしたくても出来ない相手だぞ) 「ギュオォォォォッ!」 魚のようなモンスターは、上体を振り上げると口から光線と見紛うばかりの水のブレスを放ってくるが、ニーリンは慌てずに回避する。 (うーむ、これは困った。どうしたもんか……) そう考えた時だった。 気配が一つだけでなくなった。 同じような影が、浜辺から見えた。 「ちぃっ、もう一頭か……!?」 一頭でここまで苦戦しているのだ。ここから二頭同時など考えたくもない。 海面から、身体の形状は同じで、朱色と黒をしたそれが飛び出してきた。 「ぶち抜けぇっ、トトス・カノンッ!」 そう言った(?)そのモンスターは一頭目と同じように口から水のブレスを放った。 そのトトス・カノン(?)が一頭目のモンスターを貫き、二枚に卸された。 「!?」 ニーリンはその光景を前に酷く驚いた。
アストside
「ちくしょうっ、何だよこの化け物はっ!?」 アストは紫色の甲殻類を前に逃げることしか出来なかった。 その紫色の甲殻は、コマンドダガーではいとも簡単に弾かれ、まるでダメージが与えられない。 「ギョッギョッギョッ」 甲殻類は逃げ回るアストを鬼ごっこでもするように追い回してくる。 「どうするっ、どうすりゃいいんだっ……!?」 必死に自問自答を繰り返すが、答えは出そうにない。 その時だった。 「ギザミ・クロスクラッシャーッ!」 紫色の甲殻類の目の前から、二つの赤いハサミが飛び出し、交差するように振り抜かれたそれはその堅牢だった甲殻をいとも簡単に粉砕した。 「ななな、なっ、何だっ!?」 あまりの出来事に、アストはその場で腰を抜かしてしまった。 |