- 日時: 2014/05/03 02:33
- 名前: 翼の勇車 (ID: RHJjSo1J)
よーし、そろそろみんな乱入させ始めますか!
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
七章 泣き虫
セージside
「実は俺も朝から何も食っていない。虫も食おうと思えば食えるが、生憎俺は『料理』が好きだ」 「? お前、料理ができるのかニャ?」 セージの言う事も最もだ。モンスターが料理できるのだろうか。 「俺はだし巻き卵くらいしか作れんが、知り合いにプロがいる」 「そうなんですかぁ、それは是非会ってみたいですねぇ」 そんな会話をしていた、その時だった。 「クエエエェェェン!」 モンスターの情けない声が響き渡った。身構えるセージとツバキだったが、クックは呆れた顔をしていた。 そして天井の穴から降り立ったのは、一匹のイャンガルルガだった。 「またかニャ!? ペースがおかしいニャ!」 クックも含めて、三匹も立て続けにやって来る大型モンスターに驚くセージ。 「ああ、あいつは大丈夫だ。安心しろ」 「仲間なのか?」 「妹だ」 目を見開いて驚くツバキをよそに、そのイャンガルルガは走ってきた。 「うわあああぁぁぁん、おにいぢゃああぁぁぁん!」 クックに抱き着き、泣きじゃくるイャンガルルガ。 「よしよしいい子だ。ほら、人がいる目の前でそんなに甘えていいのか?」 「ふぇ!?」 ようやくセージ達の存在に気づき、慌ててクックの後ろに隠れるガルルガ。よく見れば、この種特有の刺々しさは全く無い固体だった。 「これはイャンガルルガのルカ。見ての通り寂しがりやで泣き虫、んで異常な人見知りの俺の妹だ」 「うぅ……」
アストside
「どうしよ……」 ギザミは再び悩んでいた。自分一人でこれだけ怯えてしまうカトリアを、すぐに他の皆に会わせるのは良くないと思ったからだ。 「カトリアさん、ほら大丈夫ですよ」 ユリはアストの救助要請を受け、カトリアを宥めている。ギザミはといえば、自分が動いたところでむしろ警戒心を強めると思い、それを眺め、カトリアさん可愛いなーとか思ってみたりする。最も、彼はミズキ一筋なので好きになったりすることは断じて無いが。 「そういえば……」 アストが口を開く。どうやら話題を変えて気を紛らわすことにしたようだ。 「他の皆はどうしたんだろ……」 「心配ですね、場所が場所ですし」 「みんなって?」 ギザミはアストとユリの会話を聞いてそう言った。 「ああ、俺らの仲間。実は……」 アストはここまでの経緯をギザミに話す。夢の事、朝起きたらこの密林にいたこと、他にいた仲間がいなかったこと……。 「うーん、もしかしたらボクの仲間と会ってるかも」 「ギザミにも仲間がいるのか?」 「うんまあね。その時はモンスター仲間は二人いたんだけど、それぞれ何かを感じとったみたいに行っちゃって。で、ボクもその、うーん、なんて言ったらいいかな。ズレ? みたいなのをたどってここに来たら君に会ったってわけ」 「じゃあ、皆も無事って事か?」 「たぶん。二人とも優しい……まあ一人はちょっと荒っぽいけど。みんな無事だよ」 憶測ではあるが、その言葉に少し安堵するアストであった。 |