- 日時: 2014/05/05 14:16
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: cO738JC6)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
七章続き
ニーリンside
ニーリンとトトスは浜辺を離れ、やや坂になっている平原へ向かっていた。 「ふむ。あまり遠くへ行ってなければ、この辺りのはずだが?」 ニーリンは顎に手を当てながら憶測する。 ふと、トトスはニーリンのそのさらに奥を見やる。 ニーリンとトトスとでは、身体の大きさが違いすぎるために視界は彼の方が広いのだ。 「あ?ありゃ、ゲネッポか?何やってんだ、あんな崖で」 「ゲネッポ……名前と君の様子から察するに、ゲネポス、もしくはドスゲネポスのお仲間かな?」 「おうよ」 ニーリンとトトスはそこに近づく。 黄土色の、背中が見えた。ドスゲネポスのようだ。 そのゲネッポと言うらしいドスゲネポスは、何かを引っ張っているのか、それを引き上げた。 そこから、ライラ、マガレット、エリスが順々に引き上げられてくる。
ライラside
「ご無事でっか?べっぴんさん方?」 なんとその片目のドスゲネポスは、独特なしゃべり方をする人間と同じ言葉を話した。 「!?」 ライラは驚いた。ライラでなくとも驚く。 まさか自分達の危機を救ってくれたのが、まさかのモンスターで、そのモンスターが当たり前のようにヒトの言葉を話すのだ。 「な、何が何なのかは置いといて、とりあえずありがとう、ドスゲネポス」 戸惑いながらもライラはそのドスゲネポスに礼を言う。 ドスゲネポスは引き上げたその手をライラから離す。 「ワイの芸人魂が、ここは「絶対押すなよ!いいか!?絶対押すなよ!」ってアンタを押してそのまま突き落とせって叫んだんやが、さすがにそれはアカンやろと思たんや」 「ア、アンタねぇ、芸人魂って……」 ライラは若干引いた。 モンスターが、芸人、つまりはヒトと同じような文化を持っていると言うのだ。 その時、遠くから見覚えのある人陰と、見覚えのないモンスターが現れた。 「おーい、エルミール殿。少しばかり折り入っての話があるんだが?」 ニーリンと、見たことのない巨大なモンスターだ。魚のような外形をしている。 「よぉゲネッポ!テメェも遊びに来たのかぁ!」 その粗暴そうな口調の言葉は、そのモンスターからだ。 「おぉ、トトヤン!今しがたべっぴんさん方を助けた所や、言いたいけどもや、トトヤンもべっぴんさん連れとるやないかーい」 ドスゲネポスと、それが話し合っている。 見るからに種が異なると言うのに、まるで遊びに来た友達のようだ。 「……どなたか説明をお願いします」 エリスはドスゲネポスとそのモンスターを見比べる。 誰が説明出来るのか? 誰も説明出来るわけがなかった。 |