- 日時: 2014/05/11 23:27
- 名前: 翼の勇車 (ID: gcaVn0mW)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
十三章 孤島へ
セージside
「よし、着いた」 エリア10こと孤島に到着した一同。 「ほら、もう良いだろう」 しゃがんだクックの背中から降りるルピナス。同時にルカの背中からシオンも飛び降りた。『靴や服が海水で濡れるのは嫌だろう』というクックの粋な計らいで、ハンター達以外は乗せて貰っていたのだ。 「濡れるのはやっぱり気分が悪いにゃ」 「そうかニャ? 俺は気にならんがニャ」 猫らしく身震いをして水気を取るネオと腕を組みながら話すセージ。その後もネオは『ベタベタするにゃー』とか愚痴っていたが、口調から察するに久々に他のオトモアイルーと話が出来て嬉しいのだろう。 「おーいギザミー、居るかー?」 「なあ、ギザミってどんな奴なんだ? 名前から察するにショウグンギザミだろ?」 林に向かって呼びかけるカスケへ質問するツバキ。 「甲殻種ってあんまり良い印象が無いんだが……」 「あー、まあ無理も無いよね。それとまず言っておくと、ギザミはショウグンじゃなくてダイミョウだよ」 「へえ、じゃあ盾蟹か」 「性格に関しては……まあ、百聞は一見にしかずって言うしね。会ってからのお楽しみってとこだよ」 この時自らの脇でネオがニヤニヤしていた事にツバキは気付いていなかったのだった。 (ギザミの外見と性格のギャップは凄いにゃ。初見の彼等の反応が楽しみだにゃ)
ギザミside
エリア9をカスケ達が後にしてちょっとしたころ、エリアの中央が突如隆起し、中から巨大な赤いハサミが飛び出す。そしてその全容を現した。 「ふう、エリア9はトトスの管理下だし、ボクも滅多に来ないから地面が硬いや」 そう呟いたギザミは身震いしてヤドにに乗っている土を払い落とすと、辺りを見回す。 「うっわー、トトス、随分と派手にやったみたいだね……」 二枚卸しにされた緑色のガノトトスを見ていると、その飛び散ったどす黒い血とは違った鮮やかなピンク色が目に入る。 「これは……クックの鱗だね」 クックの鱗は普通のイャンクックの物とは比べものにならないくらいの光沢があり、また強度も本物の飛竜種の物をも遥かに凌駕する。ミズキがクックシリーズを作りたいと言った時も、流石に皮膜などは無理だが鱗が剥がれ落ちた時に提供していた。それによって作られた防具は異才な輝きを持つ物となり、性能も古龍防具並の物だった。 話が逸れたが、それがクックの鱗ということはすぐに分かった。 「たぶんトトスがこのガノトトスを倒した後だね。んー……あ、潮風に大好きな匂いが」 鼻に自信のあるギザミは潮の香りに混ざった大好きな人のシャンプーの匂いを嗅ぎ分けると、自分のテリトリーであるエリア10、孤島の方を見つめた。 「よし、行こう」 そう言い、再び地面を潜行して孤島を目指すギザミであった。 |