- 日時: 2014/05/13 12:05
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: .CN0nj9E)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
十三章続き
セージside
しかし、カスケが林に向かってギザミと言う彼を呼んでも反応が返ってこない。 「アテが外れたかな?」 どうやらギザミはここにはいないらしい。 そう思った瞬間、林の中心が突然隆起した。 「「!?」」 ツバキとセージはその隆起した地面に向き直って、それぞれ斬破刀とラギアネコアンカーの柄に手を掛けて、すぐに離した。抜く必要はないからだ。 「よっこらしょっと」 地中から、巨大な赤い甲殻類が現れた。 カスケとミズキはそれを見て駆け寄った。 「ギザミ、どうだった?」 「カスケにミズキ、探しに来てくれたんだ?」 表情の見えないこの甲殻類、ギザミは甲殻類独特の顔でカスケとミズキと普通に会話している。何ともシュールな光景だ。 そこにクックも入ってくる。 「ギザミ、お前『も』そうだったのか?」 ギザミはクックに向き直る。 「クック。『も』?と言うことは、クックもそうなんだね?そこにいる彼女達、その仲間かな?」 「恐らくな。これも何かの因果か……。何にせよ、俺から言わせてもらう。俺は先ほどエリア7で、俺の亜種と交戦した。まぁ大したことはなかったがな。そして結果的に彼女達を助けた形になって、ルカもやって来た。状況が落ち着いてから、お前達と合流しようとここへ来た次第だ」 「そっか。ボクの方も似たり寄ったりだね。ボクはエリア1の方に向かったんだけど、そこに彼女達の仲間、かな。それと、ボクの亜種がいたんだ。ギザミ・クロスクラッシャーで沈んでくれたけどね。それから、トトスとも合流して、ゲネッポも遊びに来たみたい」 「トトスとは先に合流したのか。ガノトトス亜種の死骸が転がっていたから、そうかとは思っていたが」 クックとギザミが話し込んでいる間から、ミズキも入ってくる。 「二人とも、積もる話は後にしようよ。ツバキくん達、待ってるよ」 クックとギザミはミズキのその言葉で、待ち人がいることを思い出す。 「そうだな、トトスと合流するのが先決だな」 「じゃあ、エリア2に行こうか。皆そこにいるし、先に行ってるね」 そう言うなり、ギザミは再び地面にハサミを突き刺して地中へ潜っていく。 先程と同じ体で、クックの背中にシオン、ルピナス、ツバキが、ゲネスケにミズキ、ルカの背中にセージという形になる。
アストside
「なぁアンタ、カトネエやったか?」 ゲネッポは、先ほどからアストとユリに手を繋いでもらっているカトリアに話し掛ける。 「!!」 しかし、ゲネッポにはまだ慣れていないのか、カトリアは慌ててアストの背中に隠れてしまう。 それを見かねてか、ライラがカトリアとゲネッポの間に入ってくる。 「大丈夫だってカトリア。アタシ達、こいつに助けてもらったんだから、カトリアが可愛いからって取って食ったりしないよ」 「ツッコミ所満載な発言やなライネエ。そらぁカトネエはべっぴんさんの中のべっぴんさんやけど。やろ?アスヤン」 ゲネッポは不意にアストに矛先を向ける。 「え、俺かよ?えーっと……ま、まぁ、カトリアさんはすっごい可愛いってか、美人だし……こうしてくっつかれてると、その……ってか、カトリアさん?こいつらは俺達を襲ったりしないですからそんなに俺にくっつかなくても……」 そう言いながら、背中にいるカトリアを見やるアスト。 ふと、カトリアの前髪とアストの鼻先が当たる。 (あ、カトリアさん、いい匂いするな……) 「ぁ、アスト、くん……?」 カトリアは近くにアストの顔があることに動揺しているのか、頬を薄赤く赤らめて戸惑っている。 「え、あっ!?すっ、すすすっ、すいませんっ!」 アストも自分の状況に気づいてか、慌てて顔を逸らす。 (なっ、何カトリアさんの匂い嗅いでんだ俺は!?) 自分でも分かるほど顔が真っ赤になっている。 「おーおー、初々しいのぉ。ホンマ男の子やなぁ、アスヤン」 「ヘタレすぎて見てらんないねぇ……」 ゲネッポが冷やかし、ライラは哀れむように溜め息をつく。 他の周りのトトスやミナーヴァのメンバーもうんうんと頷いている。 「ラッ、ライラさんっ!ヘタレってなんですかヘタレって……」 アストが反論しようとした時だった。 不意にすぐ側で地面が隆起し、赤いハサミがはいでてくる。 「きゃあぁぁぁぁぁっ!?」 それに驚いてか、カトリアはアストにぎゅっと抱き付いた。 「ちょっ……!?」 アストは不意にカトリアに抱き付かれてそのまま押し倒されてしまう。 「んなっ、カッ、カトリアさん!?ギザミですよギザミ!彼ですってばぁっ!」 「〜〜〜〜〜ッ!!」 カトリアは聞いていない。 「リア充爆発しやがれぇ!」 トトスは若干キレ気味に声を張り上げる。 |