- 日時: 2014/05/14 11:04
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: hQYtkqzJ)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
十四章続き
アスト、カトリア、ミズキside
「セージ先生っ、どうすれば空気にならずにその場で目立てますかにゃ!?教えてくださいにゃ!」 ペッコを待つばかりと言う中、ネオは突然セージに対して土下座をした。 「……ニャ?」 当然、セージは何のことかさっぱりなので、土下座するネオを見て蒼い瞳を丸くするだけだった。 「自分はこれでも元は名の知れたベテランオトモアイルー!しかししかし、ミズキがクック達超大陸のモンスターと仲良くなってからは、その存在感がまるで皆無に!このままでは他の奴らから「このネコ誰だよ」とか言われてしまう始末ですにゃ!どうかこの不肖者に、ネコの目立ち上手の術を……」 「何が言いたいかはまるで分からんがニャ、とりあえず頭を上げて落ち着けニャ。話くらいは聞いてやるニャ」 「ははーっ、ありがたきにゃーっ」 「だから頭を上げろと言っているニャ」 オトモアイルー二匹のやり取りを遠くから見ているのは、ミズキ、アスト、カトリアだ。 「なぁミズキ?なんだアレ」 アストはミズキを見ながら、二匹に指を差す。 「さ、さぁ?」 ミズキはネオのあまりの真剣さに若干引いていた。 カトリアはアストから手を離さずに、ミズキに話し掛ける。 「えっと、ミズキさん?」 「は、はい、カトリアさん」 カトリアに話し掛けられ、ミズキは戸惑いながら応える。 「超大陸、だっけ。そのモンスター達と一緒にいて、怖いとか思ったことないの?」 そもそも、ヒトとモンスターが(アプノトスやアイルーなどは別にして)共に過ごしているというのが本来あり得ないことなのだ。 アストやカトリアにとって、いや、普通からすればモンスターは恐怖の対象でしかない。 いくらイャンクックを狩り慣れているアストでも、あのイャンクック特有のギョロリとした目で睨まれたら、一瞬だけでも足を竦めてしまう。 「最初は怖かったですよ。っていうか、モンスターがペラペラヒトの言葉喋ってるのが本来変なんですけどね。私は、その環境に慣れただけですよ」 なるほど、特別なことはなにもしておらず、ただ慣れただけのようだ。 「カトリアさんは、何でそんなに怖がってるんですか?ギザミとなら普通に接してますし、わざわざアスト君の後ろに隠れなくても……」 そのミズキを、アストは制する。 「ちょっと、な……」 カトリアから全てを聞かされているアストは、その全ては答えずに、カトリアは過去に心的外傷を受けてしまったことと言うことだけを答えた。 それを聞いたミズキは申し訳なさそうに頭を下げた。 ユリ、ゲネッポ、ギザミside
その傍らで、ユリとギザミ、ゲネッポは他の仲間達の前に立っていた。 「えー、ショートコント、ジャンケン勝負〜!」 ゲネッポは大きく声を張ると、他の仲間達にユリとギザミが見えるように横へ流れる。 ユリとギザミが互いに向き合っている。 「いくよ、ギザミくん」 「あぁ、真剣勝負だね。ユリちゃん」 互いが互いに、瞳に炎を揺らして右手に力を込める。 「最初はグー!」 「ジャンケン……」 「「ぽんっ!!」」 ユリはパーを、ギザミはチョキ(?)を出している。 「っていうかボク、チョキとグーしか出せないじゃん!?」 「それに対してパー出してる私!?グー出せば負けないのに!」 その瞬間、その場は笑いに包まれた。 「……くす」 「わはははーっ!面白いですーっ!」 「あらあらぁ、楽しそうですねぇ」 「あ、あはは……」 「あっはははっ!やるじゃない二人とも!」 「なるほど、ユリくんもギザミくんも考えたな」 「ユリ……お前適応能力高すぎるだろ……」 「クェ、これもまた一興」 「あははっ、面白いね!」 「く、くっだらねぇぇぇぇ……」 拍手に包まれる。 「以上、ショートコント、ジャンケン勝負でしたぁー!」 サッとゲネッポが締める。 最も、ペッコを待つばかりの即興のコントだが。 |