Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!( No.403 )
  • 日時: 2014/05/18 21:00
  • 名前: 翼の勇車 (ID: .ZErySfC)

遅くなってすいません……。

>>393
ペッコ「我が女視目に死角は無い! 知っていてわざと言ったのだ!」

クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車

十六章 モンスター召集

歓声の中、ツバキがゆっくりとペッコに近づく。
「その……さっきはすまなかった。つい取り乱してしまって……」
「いや、俺こそあんなこと言ってすまんかった」
どうやらユリの歌には人の心を穏やかにする力があるようだ。
「あの……ペッコさん、ありがとうございました」
「いやいやこちらこそ! なんか新しい自分的なの見つけられましたし!」
これは本音だ。ユリとデュエットすることによって過去最高に力が出せたとペッコは気付いていた。
「また機会があったらたのみます!」
「分かりました、また一緒に歌いましょう!」
「おっしゃ、そんじゃ皆を呼びますか!」
ペッコはそう言うと、大きく息を吸う。
《ウッーウッーウマウmげふんげふん、ウー、ウー、ウー、ウー……》
突如音楽を鳴らしだして驚いた一同だったが、ごまかすように咳ばらいをして大音量で警報のような音を出すペッコ。
「カトリアさん、驚くと思うけど大丈夫ですからね」
カトリアを心配して優しく声をかけるギザミ。カトリアもだいぶギザミになれたようで、アストに掴まりながらも普通に会話できるようになった。
「うーん、どうだろう……モンスターにもよる、かな?」
これを聞いたギザミは、あ、多分アウトだなと悟った。流石にカトリアの得手不得手は分からないが、多くの人が嫌悪する昆虫種が三匹もいる。しかもクック程度であれだけ怖がるのならば、本物の飛竜種であるティガなんかに会ったら大変だろう。
(せめて、全力でフォローしよう)
ギザミが考え事をしていると、早速一匹のモンスターがやってきた。
「おや、今日は随分と賑やかですね。どうされました?」
それはドスランポスだった。
「おおラン、やはり最初はお前か。今日はイーオは一緒じゃないのか?」
クックの問いに、いえ、とそっけなく答えたランは、初めて会った人達の方を見る。
「あの方々は?」
「キャラバン、ミナーヴァの人達だ。詳しい事は後で話す」
「うぃーっす。ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)が聞こえてきt「蒸し返すなや」ヘボアァ!」
登場早々にゲネッポに跳び蹴りを入れられたのはドスイーオス。
「……」
蹴られて冷静(?)になったドスイーオス周りを見渡す。当然だ、会ったことのない人が沢山いるのだ。
「わけがわからないよ by某猫型孵卵k「言うと思っとったわ」ヒデブッ」
全く二人(二匹)のペースに着いていけてない全員。無論カトリアはアストの後ろで縮こまっていて聞いてすらいなかったが。

Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!( No.404 )
  • 日時: 2014/05/19 11:38
  • 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: xT.8.aN4)

 クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車

 十六章続き

「カトリアさん、分かるでしょう?」
 アストと手を繋いでもらっているカトリアに話し掛けるギザミ。
 アストとカトリアはギザミに向き直る。
「あんな風に軽い気持ちでお互いに触れ合っているんです。さっきも言いましたけど、見た目が違うだけでアスト君達と何も変わらないんです。だから、怖がることもありませんし、むしろ、怖がられたら向こうが心配するんです」
「ギザミ、くん……」
 カトリアはギザミと目を合わせる。
 相変わらず表情が読めない顔だが、触角がわずかに垂れ下がっているところ、微笑んでいるのかもしれない。
「ユリちゃんはすごいですよ。もうペッコと仲良くなって、次はクックとトトスと話してますし」
 そう言ってギザミは、ユリのいる方向、クックやトトスに目を向ける。
「ユリ、だったか?さっきは素晴らしい歌だった。こんなにも心が休まったのは、久しく忘れた時以来かもしれない」
「そ、そんな大したことじゃないよ。あれは何度も歌い慣れてたし……」
「いやぁ、思わず寝そうになっちまったぜ。ペッコと組むにゃもったいないくらいすげぇな」
「おぉいトトスッ、今なんつったぁ!?」
 クック、トトス、ペッコは軽口を叩きあっている。そんな様子の中心にいるユリは小さく笑っている。
 ギザミはユリを見ながら応える。
「ミズキは、ボクたちがアプローチを掛けて仲良くなっていった感じだけど、ユリちゃんは自分から仲良くなろうとしている。ある種の才能だね」
「才能なんかじゃないよ」
 ギザミに声を掛けるのは、ツバキだった。ペッコと和解したのか、拘束は解かれている。
「ユリは、歌姫として幼い頃から各地を転々としていたんだ。出先でも滞在出来る時間は短かったし、周りは大人ばかり。だから、友達は俺くらいしかいなかった。滞在中でも友達を作ろうとはしていたさ。でも、周りは皆ユリを歌姫って色眼鏡で見る。対等な意味で友達にはなれなかったのさ。だから、もっと対等になれる存在が欲しかったのかもしれない。今のユリは、その心の表れかもしれないな」
 なるほど、孤独を嫌うがために自分から動こうと、仲良くなろうと、そう言った姿勢がモンスター達の心を開かせるのだろう。
「対等な存在か……、ニーリンも言ってたけど、どんな形でも有名人って言うのも大変なんだな」
 アストはネルスキュラとの戦いの時のニーリンの言葉を思い出す。
「異名と言うのは好きじゃぁない。周りからは実力以上の結果を期待され、失敗したときの理不尽さには堪えがたいものがある」
 当分先の先の話になるかもしれないが、名を上げて世界にその名を響かせれば、ニーリンのように有名になる代わりに自由が奪われていくのだろうか。
(それが理由で、ミナーヴァを離れることにもなるんだろうか?)
 アストはふとそんなことを思った。
 だが、自分の右手を思い出す。
 カトリアがいる。彼女だけではない。守るべきもの、守りたいものが、ミナーヴァにはたくさんある。
 正直、富や名声など二の次、三の次だ。
 大切な人達を守る。それがアストにとっての一番だ。
「お、続々と接近中やで?」
 ゲネッポはランとイーオがやって来た方向を見通す。
 雑木林の向こうから、続々とモンスター達がやって来ている。