- 日時: 2014/05/25 23:46
- 名前: 翼の勇車 (ID: 1XyAfABH)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
一九章
「狂竜病の話が聞こえたのだが?」 ゲリョとマガレットが話をしていると、ゲルタスとギザミがやってきた。 「ああ、俺も医者のはしくれだからな」 「私も、詳しく知りたいです」 「ゲリョは超大陸の田舎出身だから知らないと思うが、俺はあっちのゴアの知り合いだ」 マガレットは超大陸にもゴア・マガラがいることに驚いたようだが、ゲリョはそうか、と言って続きを促した。 「だから俺には狂竜病の抗体がある。普通の克服なんて物じゃ無く、半永久的な物だ。ちなみにここにもその抗体を持っているのが何人かいてな、俺に妻のゲルタス、ゲネッポとあのクイーンランゴスタ、それとクックとルカだ」 「……! 凄いですね、普段から慣らしていけばそんな事ができるんですか」 当たり前だが、マガレットはだいぶ驚いたようだ。 「ボクも狂竜ウイルスは効かないんだけど、ちょっと変わってるんだよね」 二人の目線がギザミに向く。 「ボクはウイルスを抗体で殺すんじゃ無くて、突然変異させて制御するんだ」 そう言って、ハサミを前につきだす。するとその節から赤いオーラのような物が少し溢れた。 「大丈夫、感染はしないよ。少しだけなら出せるけど、条件が揃わないと発動できないんだ」 やはり驚かされたマガレット、そして今度は少しゲリョも驚かされたようだった。
「随分とシケた面してるな」 ゲネポス二匹と押し問答をしていたツバキに、ユリと遊んでいるルカを見ながら近寄ってきたのはクック。 「なんだよシケたって……」 「冗談だ。しかしルカが他人にあれだけ心を開くのはミズキ以来だな。シオンしかり……大したものだ」 イャンクックはくちばしなのでそんなものはないはずなのだが、口角が少し上がっているように見えた。 「……おまえたちモンスターってのは、その……嫉妬とかってするのか?」 「イャンクック相手に恋愛相談か?」 「ち、ちげーよ!」 頬を真っ赤に染めて否定するツバキに対し、クエエッと笑うように鳴くと、クックはこう続けた。 「嫉妬、か。俺はあまり思ったことはないがな。ああやって楽しそうにしているルカやミズキを見られれば俺は十分だ」 そう言い切ると、急にツバキのフードのような装備をくわえ、背中に乗せた。 「おうわっ、なにするんだ?」 「乱入するぞ、掴まれ」 そう言い、ルカやユリ達が遊んでいる方向へ駆けていったのだった。 |