- 日時: 2014/05/28 17:00
- 名前: 7倍quasar ◆FGU2HBsdUs (ID: ypxp80Pt)
第12話 欲するもの、それは血肉
俺…つまり師条。 ドスイーオスの狂竜化は…初めてだ。いや、何が初めてかというと狂竜個体と戦うことだ。 抗体を得ての話だがな。抗体を得るまでには何回か戦った。 「グギャォォオ!!!」 ドスイーオスの口から狂竜ウイルスがあふれ出す。この程度であれば常人なら感染の危険性はないだろう。 ただ俺の場合はその程度の量でも…抗体は活性化する。 ―体の感覚が研ぎ澄まされる あぁ、これだ。いつもの俺。相手の動きがある程度分かるし、体もよく動く。 バシュ!! 「ギャォオ?!」 俺はイーオスの1体に矢を放つ。威力は…さっきまでとは比べようがないな。5本の矢は1点に集中し、イーオスの体を貫通した。 「師条殿…」 「くくっようやく本調子か。」 涙那とBLAZEがそういうが…まだドスイーオスが狩れるかというと自信がない…体は動くが行動が読めるわけではない。やはりここは…と思っていたときだった。 ブシャァァァアア!!! 「ぬ?!」 突如俺の左腕から血がふきだす。止血しようとしても止まらない。おそらくさっきドスイーオスが俺に乗りかかった時にできたのだろう。 「貴様?止血しないと危ないぞ?」 BLAZEはそういうが…血が止まらない。絶えず俺の左腕から出血する。 ―と同時に俺の体があるものを欲し始めた。それは… 「血…あいつの…血!!」 ドスイーオスの血だ。あぁ、この感覚前にもあったか…無意識に俺は矢でドスイーオスの胴体を切りかかった。 ザシュッ!! 「グギャォ?」 が、矢の攻撃ではあまり傷をつけることはできない。それでも多少はドスイーオスから血があふれ出す。その血を俺は…飲んだ。 それでも俺の左腕からは依然として出血が止まることはない。まだ血が…血………? 「もっとだ…もっと……!!」 (ここから視点変更) 師条は弓を引き絞るとドスイーオスの首元を狙う。 バシュ!! 「グギャ?!」 貫通することはなかったが、十分な傷を負わせる。そこからあふれる血を彼は…すべて飲み込んだ。まるで何かに取り付かれているかのごとく…首元からあふれる血には毒袋からあふれる猛毒も含まれていたが…彼はそれも含めすべて飲み込んだ。 「足りん…たりねぇんだよ!!」 そういうと彼は弓を再び引き絞る。ドスイーオスは彼の行動に恐怖を感じ、標的を変更した。 「グギャォ!!」 「む…私の出番か?」 標的は涙那。彼女は片手剣を構え、臨戦態勢をとる。しかし… 「グギャォ……グギャァァアア?!」 何かがプツンと切れる音が聞こえた。と同時にドスイーオスはその場でもがき苦しんだ 一体なにが…と思った涙那はその音のした方向をみた。そこにいるのは… ―切断されたドスイーオスの尻尾を食いちぎる師条だった。 「血…肉…!もっと…!よこせぇぇぇええええええ!!!」
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