Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!企画発表!( No.534 )
  • 日時: 2014/05/31 00:23
  • 名前: 翼の勇車 (ID: SAyXaWs/)

クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車

二十章 異変、そして料理

「ん?」
ミナーヴァメンバーにマジックを披露していたギザミが、急にある方向を見る。
「どうしたギザミ」
「ああクック、あっちの方からかぎなれない匂いがしたんだ。ちょっと上から見てくれないかな」
「よし、任せろ」
バサリと飛び立つクック。そして高く舞い上がり、ギザミの言う方向を見つめた。
「……全く、来客の多い日だな。ミナーヴァの皆みたいなのは大歓迎だが、招かれざる客ってのは嫌いだ」
そう呟くクックの視線の先には暗雲、そしてその中には咆哮を上げる巨大な"龍"が見えたのだった。

「完成や!」
オムライス量産に躍起になっているネオ、のんびり鍋を煮込んでいたルピナスに並んで調理をしていたゲネッポが満足げに声を上げる。
「す、凄いにゃ……」
「キレイですねぇ」
ゲネッポが作ったのは刺身等の盛り合わせ。所詮切って盛っただけと侮るなかれ、業物の太刀もビックリの切れ味を持つ愛用の包丁で迷いなく捌かれた白身魚の身は大理石のように美しく、加熱してある物も長年の経験から生み出された絶妙なタイミングで焼かれ、計算しつくされた美しく見せる盛り付け方で盛られた特大料理である。
「今回の目玉はこの水竜の炙り大トロや。ガノトトスなんて久しく調理してなかったもんで心配やったんやけど、上手くいったみたいやな」
愛用包丁を砥石で磨くゲネッポはそう言うと、ルピナスの鍋を覗きこむ。
「……横やり入れるようで悪いんやけど、特産キノコのキムチ鍋ならスライスサボテン入れると味に深みがでるしオススメや」
「あらぁ、そうなんですかぁ、試してみますぅ」
「これで十三個目にゃ……にゃぁ!? こっちのが焦げてるにゃ! またやり直しにゃああぁぁぁ!」
脅威が近づいていることなど微塵も思わず、和気あいあいと料理している三人であった。

「……参った」
孤島から数キロ離れた海上。そこにいたのは、ペッコの召集警報を聞いてここまで飛んできたティガであった
「……孤島はどっちだったか……ん?」
キョロキョロと回りを見回していた彼がみつけたのは、ゆっくりと移動する不自然な暗雲。その下には、ここではあり得ない吹雪が吹き荒れていた。
「……クシャルダオラ、か」
険しい顔になったティガは、暗雲の進む先を見据える。孤島が見えた。
「……カスケ達に報せねば」
そう言い、島へ向けて滑空していくティガであった。