- 日時: 2014/05/31 17:56
- 名前: 真夏のペンギンさん (ID: CydWZDW0)
どんどん更新ペースが遅くなってきてる。
3章 動きだすニック・タイム
1話 理解の外側
ヒプノックを討伐したセロとメイは帰るため密林をガーグァ車で走っていた。二人の顔を真夏の太陽がジリジリと照りつける。日除けがなければ身体が焼けてしまいそうだ。 「あっついー。セロ、水〜」 「さっき貴女が飲み干したでしょうが!僕も飲みたかったんですよ!」 「まあまあ、確か来る時に川があったよな?そこで飲めばいいだろ」 そうこうしていると前に休んだ場所に出た。確か近くに川があったはずだ。 だが……密林を抜けた先には川は無かった。唯のくぼみがあるだけだった。干上がったとしても早すぎる。昨日は豊かな水を湛えていたのを見た。明らかにあり得ない。 「これ、同じ場所だよな……?」 「はい……けどこれは一体?」 その時何か黒い物がセロの頭上を横切り巨大な火球が迫る。素早く気付いた二人はとっさに避けた。二人の横を過ぎた火球が地面に触れた途端に爆発炎上した。土埃と爆煙で辺りが煙り何も見えなくなった。暫くして煙が晴れると二人はその情景に息を呑んだ。なんと火球が直撃した場所に大穴が空いていた。二人が暫し茫然としていると黒い物が降り立った。 「これは、黒い……リオレイア?」 「恐らくは川が干上がったのはこれの仕業でしょうね」 「余の攻撃を避けるとは……面白いではないか」 「喋っただと……」 「僕の予想ですがこれは最近聞くUEって奴でしょう」 「なんだそれ?」 「各地で上位ハンターを襲う飛龍。姿はリオレイアに似ていますがパワーは古龍クラスでテオ・テスカトルを上回る火力。知能も高く人間の言葉を喋れる。発見回数が少なくまだ生態がわからないことからアンノウン・エネミー、略してUEと言われています。僕等で勝てる相手ではありません!逃げましょう!」 「今更逃げてたまるか!此処で倒したら有名人だ!」 「仕方ないですね。貴女だけを行かせませんよ!」 「ほう、余と戦うつもりか。望むように殺してくれよう!」
☆セロ視点
アンノウンがいきなり襲いかかる。通常のリオレイアでは考えられない様な動き。理解の外だ。相手はリオレイアではないと知っていなければパニックになることだろう。突然のブレスにとっさに対応する。そして直様相手に反撃の刃を………………………………………当てれなかった。奴はは素早く身を翻し飛び掛かる肩に噛み付いた。セロは牙が深く刺さるのを感じた。奴は首を振り僕を木に向かい投げ付けた。暫く意識を失っていた。意識が戻り起き上がろうとしたが身体が動かない。顔を上げる。目の前が真っ赤だ。目の近くを切ったのだろう。赤い景色の中にメイが見える。何か言っている。 「……ロ。セロ!」 ようやく聞こえた。 「ごめん。私の無茶に付き合わせて……そこで待ってて。彼奴を倒してくるから……!」 「だ……」 声が出ない。メイが目の前の敵に向かい駆け出す。彼女もかなり怪我をしている。切り込みにかかるが当たらない。一方的に攻撃される。これはもう耐えられない。やめろやめろやめろやめろやめろやめろ!目の前で小柄な彼女がまるで人形の様に飛ばされる。まるであの時、ドルトーニさんが死んだときと同じ様な感覚。また、唯見ているだけなのか?唯失うだけなのか?やっと分かり合えたのに、嫌だ。嫌だ!もう耐えられない!そうだ! ミンナコロシテチャエバイインダ! アハ、アハハハハハハハハハ!コロシテヤル。コロシテヤル。俺のマエカライナクナレェ!! 「殺す。消し去る」 途端に僕の意識は途切れた。
☆戻します
セロの周りが憎しみの力に包まれた。重傷だった筈の身体が動いている。禍々しいオーラに流石にアンノウンも圧倒される。しかしまだ面白がってもいた。 「そんな力を持っていたとは。面白い。面白いゾォォー!!」 アンノウンが狂った様に火球を落としまくる。しかしセロは全く動かなかった。全ての火球がセロに直撃した。 「L・D」 火炎の中からセロが無傷で飛び上がった。周りの大気が歪んでいる。 「ギャハハハハ!効くかァ!」 勢いで斧の遠心力で回転して斬りつける。禍々しいオーラを宿した斧はアンノウンの頭部に確実にダメージを与えた。やられる一方ではいけないと、アンノウンは反撃しようとサマーソルトを繰り出す。通常の人間なら確実に当たっていただろう。そう通常ならば。セロは赤き残像と共に背後に回り込み属性解放した斧を投げ付けた。翼の付け根に直撃する。さらにセロはアンノウンの背中に飛び掛かった。 「テメエなんか素手で充分なんだよォォ!」 セロは素手でアンノウンの背中の堅殻を素手で叩き割る。硬いはずの殻を手で叩き割ったはずだが気にしていない様に肉を引き裂く。 「馬鹿な。この、この余が、余がァ!!」 「フハハハハハハハァァ!グズが!死ね死ね死ねェ!」 セロの狂った声が響く。
続く
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