Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!企画発表!( No.591 )
  • 日時: 2014/06/03 21:06
  • 名前: 翼の勇車 (ID: i1EKrUOA)

翼の勇車が描く二つ目の作品『高校生モンスター』

第四話〜あ、ありのまま今あったことをはなs(ry〜

「おじさん、今日も回復薬ちょうだい!」
「おーうアカリちゃん、今日も元気そうだねー」
私はアカリ、ハンターだ。普段は村で活動しているんだけど、今はドンドルマに数日滞在している。
「アカリちゃん、今日はどんなクエストなんだい?」
この人は店のおじさん。つい数日前に会ったばかりだけど、とっても親切にしてくれてる。
「うん、ティガレックスの狩猟」
「そうか、まあアカリちゃんなら大丈夫だ! 今日も元気に行ってこい!」
おじさんに送り出され、ギルドへ向かった。

「ティガレックスの狩猟クエスト、お願いします」
「はい、ギルドカードの提示をお願いします」
クエストの受注を済ませ、ギルドを出ようとした時だった。
「なあ、最近古塔でボレアスの亜種が出たっぽいぞ」
「げえっ、ミラルーツかよ」
ミラルーツ。度々神等にも例えられる古龍種。その体は美しい白色という話も聞いた。見てみたいとは思うが、今の自分の実力ではパーティーを組んでも到底敵わないだろう。

密林へやって来た。本来ティガレックスは密林に現れたりしないんだけど、どういう訳かこの辺り一帯を縄張りにしているようで、生態系のバランスを保つために狩猟するといった内容のクエストだ。
「グオオオオオ!」
狩猟対象と対峙する。ティガレックスの狩りは初めてでは無く、過去にも何頭か狩猟している。
突進を開始するティガレックス。こいつはドリフトをしてしつこく追いかけてくるから、スキができる全転回避はせずに最低限の横移動で避ける。しかしだった。
「グオアァ!」
「きゃあ!」
なんと途中で大きく軌道修正してきたのだ。私が今まで狩ってきたものとは違う動き……まさか、上位、下手をすると……G級!?
「うっくうっ……」
激しい痛みが全身を襲う。ティガレックスが吹き飛ばされて倒れた私にゆっくりと近づいてくる。私が死を覚悟した……その時だった。
「グオオォォォ!」
ティガレックスの物とは違う、大声量の咆哮が密林にこだました。私がその方向を見ると、空を飛ぶ何か。巨大な体躯、神々しいほど白い体……噂に聞く、ミラボレアス亜種、通称ミラルーツだった。
そして――何故か一瞬、この古龍が救世主のように見えた。しかしこの緊急事態に私の脳は正常な機能を取り戻す。ミラルーツはモンスターであり、最も恐れるべき古龍種なのだ。上位、いや下手をするとG級のティガレックスに、神と恐れられるミラルーツ……もう駄目だ。
「グオアアァ!」
ミラルーツが咆哮を放つ。すると天から雷が落ちてきて……ティガレックスを黒焦げにした。私は更に恐怖のどん底におとしこまれる。あれだけ強かったティガレックスを……私が一撃も入れられなかったティガレックスをたった一発で……?
私が恐怖で固まっている間にミラルーツはティガの近くに着地し、私を見る。そして近くの茂みを漁ると、私の前に顔をつきだした。終わった……そう思ったが、なんと直ぐに顔を引き、下がったのだ。チャンスだ。モンスターの考える事は解らないが、この隙に逃げよう。そう思い立ち、ポーチの中に手を突っ込むとモドリ玉を掴み、地面に投げた。煙に包まれる中、何故か私を見るミラルーツの顔が悲しそうに見えた。

ベースキャンプへ戻り、大きくため息をつく。そして下を見ると……足元に複数の薬草が。何故こんな所に? きっとモドリ玉の効果に巻き込まれたのだ。でも私の立っていた所の近くに採取ポイントは無かったはず。その時、私に顔を近づけたミラルーツを思い出す。そういえば、その前に漁っていた所は……
「そんな……まさか、ね」