- 日時: 2014/06/08 14:56
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: OJcsNM8F)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
二十二章 風を纏う龍
「……ぬぅぅぅ」 ティガはどうにか海岸線までたどり着いた。 ちょうど同じ頃に、トトスもクックを救助のために海岸線に来た。 「よぉ、ティガ!テメェは無事だったか!」 「……ト、トトス……クシャ、ルダオラが……」 「おーよわかってらぁ。テメェはどっかその辺で大人しくしとけ」 トトスはティガを黙らせると、海に飛び込んだ。 (待ってやがれクック、生きてなかったらただじゃ死なさねぇぞ) 全速力で海原を駆け抜けるトトス。 クックは果たして無事だろうか……。
アルタスは全員に警戒を呼び掛ける。 「じきにクシャルダオラが来る。戦える者は戦闘体勢に入ってくれ。そうでないものは安全な所に下がっていてくれ」 彼の指示に、カトリアが最初に動く。 「ここから降りたところにベースキャンプがあるから、そこなら多少は安全だと思う。私達ヒトはそこに待避します。アストくん、ニーリンさん、ツバキくん、セージは……」 カトリアはハンター三人とオトモ一匹は応える。 「俺達はここに残ります。勝てるかどうかは分かりませんけどね」 「あなた方を守るのが私の役目だ」 「ユリを危険に晒す分けにはいきませんからね」 「オレを誰だと思っているニャ」 アスト達は戦うつもり満々だ。 カトリアは心配そうな表情をしてから、頷いた。 「モンスター達も手を貸してくれると思うけど、決して無理はしないで。古龍は、簡単な相手じゃないから。危なくなったら、すぐに逃げてきて」 カトリアの側にライラが駆け寄ってくる。 「全員いいよ。いつでも避難できる」 「分かった。……皆、死なないでね」 カトリアの真摯な言葉に、ハンターとオトモはうなずく。 カトリアとライラは踵を返すと、エリア1へ向かっていく。他のミナーヴァのメンバーと、ルカもだ。 それが見えなくなったと同時に、ギザミが地中から這い出てくる。 「アスト君。これ、さっき作ったいにしえの秘薬作ってきたよ。他の皆にも飲ませてあげて」 ギザミのハサミの平には、いくつものいにしえの秘薬が並んでいる。 「ありがとう、ギザミ」 アストはそれらを受け取ると、ニーリンとツバキにも渡してやる。 上空から黒光る陰が近付いてくる。 「皆の者、下がれ。光破砲の照射に入る」 ゲリョは頭部の発光器官に、バレルを連結させる。 「バレルドッキング完了、エネルギーチャージ98%、バイオサイクル正常に稼働中、オールグリーン確認。ターゲットロックオン、目標、クシャルダオラ」 カン、カン、カン、と頭部を打ち鳴らすゲリョ、頭部のバレルから光が集束していく。 「光破砲、ゲリョメガバースト、照射」 直後、眩いばかりの光の奔流がゲリョのバレルから放たれた。 ゲリョメガバーストが真っ直ぐにクシャルダオラに襲い掛かる……が、クシャルダオラは予め何か来ることを予測していたのか、光速のそのエネルギーを回避した。 「なんと……我のゲリョメガバーストを避け……いや、来るのがわかっていたのか?」 ゲリョは動揺を露にする。 アルタスはゲリョを叱咤する。 「怯むな次だ!ゲルタスッ」 「は〜い、準備いいわよ〜」 ゲルタスはどっすどっすとやってくる。ゲルタスの口からは何かが集束している。 アルタスがゲルタスの背中に乗り、彼女を持ち上げる。 「ふっ、ぬぅおぉぉぉぉっ……!」 アルタスは全力でゲルタスを支え、ゲルタスの正面を飛来してくるクシャルダオラにむける。 ゲルタスはやはりおっとりとしたまま、クシャルダオラに敵意を表す。 「はいは〜い、いきますよ〜。セルタスブラスト・タイダルウェイヴ〜」 すると、ゲルタスの口から膨大な水の塊が三発同時に放たれた。まさに、津波(タイダルウェーブ)と見間違うばかりだ。 セルタスブラスト・タイダルウェイヴ発射の反動で、アルタスは大きく仰け反るが、安定して着地する。 だが、クシャルダオラは風のフィールドを周りに発生させ、ゲルタスのセルタスブラスト・タイダルウェイヴを拡散させていく。 どれだけ圧縮したと言っても、所詮は水。それよりも強い力にはあっさりと負けてしまう。 「クソッ、これも効かないのかっ。何て奴だ……!」 アルタスは歯噛みする。 「そう簡単にはいかないみたいだね……」 ギザミはチャキン、とハサミを鳴らし、降下してくるクシャルダオラを迎え撃つ。 クシャルダオラは、ゆっくりと地面に降りてくる。 黒光る鋼の鱗、四本の脚、無駄を削ぎ落としたかのようないかにも龍とした雰囲気。 ハンター達とモンスター達は対峙する。 「行くぞ!」 アストの声で、全員が「おぉ!」と賛同する。 |