- 日時: 2014/06/09 18:09
- 名前: 7倍quasar ◆FGU2HBsdUs (ID: lDRQg0Ls)
第18話 危機
「っせい!!」 俺だ、俺。師条だ。 テオ・テスカトルの習性はだいたい理解した。近寄っていたら問題ないってことにな。 それに…シャガルとかと比べると明確な隙も多い気がする。尻尾を狙うのは少しめんどうだが…まぁいい。 「グゥゥ・・・」 テオ・テスカトルの口元からまた炎があふれ出る。いや…粉塵が多い。しかし俺のいる場所は真横…当たる確率は0だな ドゴッ!!ブシャァァアア!! 放たれたブレスは最初のうちは爆発が起きていたが…徐々に粉塵だけとなり、最後のほうは粉塵もなくなっていた。持続性の悪い技だこと…。 その間にも俺は尻尾めがけて矢を放つ。涙那は後ろ足をひたすらに斬っていた。 「私は粉塵がへばりつかないからな。高濃度の粉塵内でも安心して攻撃ができるぞ。」 涙那はそういっている。たしかに高濃度の粉塵に触れても…へばりついていない。 何かのスキルだろうか?おそらくそれだろうな…。 とにかく次の矢を…と思っていたときあることに気づいた。 「しまった、スタミナが…!」 強走薬なしに剛射を繰り返すとすぐスタミナがきれる。そのことを忘れていた。 しかもよりによって…テオ・テスカトルの真正面。やつがする動作によっては回避が間に合わない。 ドドッドドッ!! よりによって一番やってほしくない…振り向きモーションなしの突進を繰り出してきた。回避行動をしたくてもスタミナがないからできない…!くそ!頭は動くのに体が…! ドガッ!! 「師条殿!!」 俺は突進に巻き込まれた。一撃が…重い。けっこうきついダメージ量かもしれない。これは…はやく回復薬を飲まないとまずい…。 俺はそう思って起き上がろうとしていたが…さらに厄介なことになっていた。 ―テオ・テスカトルが怒り状態を終えている。 「?!」 しまった…!と俺は思ったと同時に俺は…死を覚悟した。 テオ・テスカトルは怒り時を終えるとき、自身についている粉塵をある程度振り落とす。その振り落とした粉塵を爆発させ、とてつもない威力を発生させるのだ。 聞いた話では防御のないハンターは一撃、たとえ防御が十分であったとしても致命傷になりかねない威力…数々のハンターを葬り去った危険な技だろう…。 その範囲の…ほぼ中心の位置に俺はいる。しかもスタミナは…回復していない。回避で範囲外に逃げることは…不可能。 「くそ…」 俺の力ではもうどうしようもない…絶体絶命か…はは…笑わせる…。 俺は逃げることもあきらめかけていた。そのときだった。 ―テオ・テスカトルは突如バランスを崩し、落下した。よく見ると誰かが乗っている…? あれは…奏連か! 「なんとか間に合ったみたいね…!」 テオ・テスカトルは暴れだす。背中に乗りかかった奏連を振り下ろそうとしている。しかし彼女は…しがみつく。見たところ…のりになれている。あれは…時期に成功するだろう。 そう思っていたらすぐに乗りに成功し、テオ・テスカトルは墜落した。 もう十分弱っている。甲殻の部分部分に亀裂が入っている。これは…。あれだな。 俺は…倒れ、もがいているテオ・テスカトルの頭のほうに立ち、いつもより強く引き絞っている弓を…頭に向けた。 「いい経験になった…感謝する、テオ・テスカトル。そして…さらばだ!!!」 バシュ!!! 俺が放った矢はテオ・テスカトルの頭をぶち抜き、全身を貫いた。亀裂の入っていた甲殻はぼろぼろに砕けおち、テオ・テスカトルは息絶えた
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