- 日時: 2014/06/10 11:15
- 名前: ペイルカイザー ◆XXm9HVMu9w (ID: mkmdBJ1l)
M.H. 滅龍少女〜ドラゴン×スレイヤー
Episode1続き
おかしなヤツだ。 アタシが譲ってやるって言うのに、あいつは逆にアタシに譲ろうとして来た。 そしたら急に一緒に行こうとも言い出した。 いつもはブルとしか行かないのに、アタシはそれにいいよと答えた。 でも、何となく分かるんだ。 エミルとか言ってたっけ、悪いヤツじゃない。 とにかく、アタシはエミルとそのネコ、ルージュと狩りに出ることになった。 場所は……なんだここ、氷海? どこだか知らないが、どこも変わらないだろう。 そう決めつけたアタシは適当にポーチに回復薬とか砥石を詰め込む。 さぁ準備完了だ。 エミルの方もアタシより五分くらい遅れてから準備が終わった。 なんか準備えらい時間がかかったな。 回復薬と砥石、後は解毒薬あたりがあればいいんじゃないのか? まぁいいか。 アタシはついでに武器と防具も確かめておく。 武器は、パワーブロウニーとかなんとか言ってた……何だっけ、スラッシュアックスとか言ってた。 防具はカブラシリーズって言う赤い防具だ。胸元がスースーしてなんか落ち着かなかったけど、今は慣れている。 酒場とか言う変な臭いがする所を後にして、アタシとエミル、ブルとルージュは狩り場に向かった。
「な、なんだここ……真っ白だぞ!?」 氷海とか言うここは、周りが真っ白だ。 何かやけに寒いし息を吐くと白い何かが出てくる。 「えっ、雪知らないの?」 エミルは驚いている。 雪。 あぁそうか、本で読んだことがあったぞ。 この白くて冷たいのが雪って言うのか。 「し、知らなかった。白くて冷たいモノだとは聞いてたけど、こんなに冷たいなんて知らなかった……!」 身体が震える。凍えてしまいそうだ。 震えるアタシにエミルは心配そうに見てくる。 「だ、大丈夫?寒いの苦手だったの?」 「い、いや大丈夫だ。動いてたら温かくなる」 さ、さすがにこれは辛いぞ。 早くウルクススとか言うヤツを見つけて戦わないと、アタシが動けなくなってしまう。 「ホットドリンク、飲んでるよね?」 ん?ホットドリンク? 「ホットドリンク?なんだそれ」 「……ちょ、え?」 ホットドリンクって何だ? エミルは信じられないみたいな顔をしている。 何だ?アタシが何か変なことでも言ったのか? 信じられないみたいな顔から、エミルは困ったような顔になる。 「ホットドリンク、知らなかったんだ……。えっとね……」 エミルはポーチから何かごそごそしている。 そう言ったエミルの手には赤いビンが乗っている。 「これ、飲んでみて」 「お、おぅ」 アタシはちょっとドキドキしながら、それを開けて飲んでみる。 「!?!?!?」 な、なんだこれは!? 舌や喉がヒリヒリして、何か身体が暑くなってきたぞ!? 「ゲホッゲホッ、な、なんだこれ、口がヒリヒリするぞ!」 「うん。でも、温かくなったでしょ?」 「た、確かに温かくなったが、ん〜……」 温かくなったが、こんなにヒリヒリする思いをしなくちゃならないなんて、何か嫌だ。 「セツさんって、訓練所卒業のハンターじゃないの?」 「くんれんじょそつぎょう?変な所で武器の扱いとかは教えてもらったが、こんなヒリヒリするものは教えてもらってないぞ?」 「…………」 またエミルは困ったような顔をする。 だからアタシが何をしたって言うんだ? そんなこんなで、ベースキャンプを出るアタシとエミル、ブルとルージュ。 ウルクススとか言うのはどこにいるんだ。 「んーと、ここから、洞窟か、坂道か、平道だね。どこにいそう?」 エミルは地図を広げながらアタシに話し掛けてくる。 どこにいるかなんて分かるもんか。 「このどこかにはいるんだろ?ぐるっと回ればいいんじゃないか?」 「ん、んーと、じゃあ、エリア2から」 そう言うと、エミルは平たい道を進んでいくので、アタシもそれに続く。
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