- 日時: 2014/06/11 12:18
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: J4c0NYZb)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
二十四章続き
その突如現れたアイルーに、全員が釘付けられていた。 「おい貴様……何者ニャ?」 セージはラギアネコアンカーを油断なく構えて、そのアイルーに話し掛ける。 外套のような防具で顔は見えないが、薄気味悪い声で応えるアイルー。 「我か?くくっ、なぁに気にするな。通りすがりのオトモアイルーとでも……」 「そんニャ表向きのことなどいいニャ」 セージのその蒼の瞳は殺意すら露になっている。 「貴様は『何者』だと聞いているのニャ」 何故だろう、セージの殺意や気迫がいつもより数倍増している。 当然だろう、このアイルーは消耗したとは言えクシャルダオラを一太刀沈めたのだ。だが、セージの様子からそんなことは問題ではないようだ。 「くくっ、貴様は察しがいいな。だが、それを答えるつもりはない」 すると、そのアイルーは不相応な大きさの太刀を振るった。 振るったそこには、空間の穴が開いていた。 その場にいた全員がそれに驚愕する。 「くくっ、偶然が重なっただけだ。また会うかも知れんがな、くくっ……」 アイルーは、その穴に入っていった。 「待てっ、貴様……!」 セージもその穴に入ろうとするが、既に穴は消えて、セージの身体を素通りした。 何もなかったかのように、事は終わった。 「な、何だったんだ?今の……」 アストは呆然とセージの背中を見ていた。 「恐らくは……」 ニーリンが仮説を立てていた。 「この世の理から外れた何者かだろうな。オトモくんの様子から察するに、あの彼はアイルーの姿は仮の姿、と言うところだな」 「だからと言っても、解せないものがあるな……」 クックは剽軽そうなクチバシを傾げながら答える。 クシャルダオラが息絶えたためか、嵐は通りすぎて、元の晴れた空に戻っていく。 「あらぁ?お客さんですかぁ?」 ルピナスはその空間から現れたアイルーを見て呑気に挨拶する。 「くくっ、またここに来てしまったか。まぁそうだな。お客さんだな?」 「でしたらぁ、食べていきますかぁ?」 「くくっ、いいのか?」 「どうぞどうぞぉ」 少しだけルピナスの料理にありついたアイルーは礼を言ってから、また空間に穴を開けて入っていく。 |