- 日時: 2014/04/23 23:07
- 名前: 翼の勇車 (ID: kmYU6Ksx)
最近ネタが尽きてきた気がする……。あ、ご安心ください、エタったりはしませんから。てなわけで更新ですー。
第二十一話〜目覚めた災悪〜
あのあとは色々と騒がしかった。集まったモンスター達を交えて宴が開かれたり、噂が街に流れて騒ぎになったり、その騒ぎを聞き付けたギルドへの対応だったり。勿論ギルドにありのままを話すとまずいのでなんとかごまかし、今後も今まで通りモンスター達には各自住家のあるフィールドへ戻ってもらった。そしてある日のこと。 「狂竜病……ですか」 ここはお馴染み村長の家。ちなみに家に入る時また驚かされたのだが、回を追うごとに脅かしかたがグレードアップしている気がする。 「そ。モンスターに発症する病気で、それに感染したモンスターは狂ったように暴れるんだ。あまり原因の解明は進んでいないんだが、狂竜ウイルスというのが原因と分かっている。そしてその元凶が……」 「ゴア・マガラ、あるいはシャガル・マガラですね」 「おお、流石カスケ。んでどうやら、近くにそいつが居るようなんだ。狂竜病を発症したモンスター及び耐え切れずに死亡したと思われる小型モンスターの死体が大量に発見されている。で、そいつをどうにかしてほしいって訳よ。それに超大陸出身モンスター達も心配だしね」 そうだ、彼らはどんなに強くても一モンスター。もし彼らが狂竜病に感染してしまったら……。 「そ、村長、行ってきます!」 そう言って飛び出した私。後ろからカスケ君が追い掛けて来ている気がしたけどそんなことは気にせず、密林へ急いだ。
~密林~
「クックー! ギザミー! トトスー! 返事してー!」 いくら角笛を吹いても大声で呼んでも出てこない。一体彼らはどうしているのだろうか。 「ミズネエ、カスヤン!」 聞き慣れた関西弁が正面からやってくる。ゲネッポだった。 「これはどういう事や!? 小型モンスター達ほとんど死んでまっせ!」 「ゲネッポ、無事でよかった……じゃなくてっ、今大変なの、狂竜病がかくかくしかじか」 「なるほど、そういうことやったか。そうなるとまずいで。カスヤン、超大陸にも一匹だけゴア・マガラがいたのを覚えてるかいな?」 「ああ、自分の狂竜病が皆に感染しないようにってんで、いつも引きこもっていたあいつだろ?」 「せや。あの大陸にはマガラはあいつ一匹やったから、超大陸のモンスターは免疫がまったくと言っていいほど無いんや。下手したらマガラの棲息範囲に入っただけで発症しかねんのや」 「何でゲネッポは大丈夫なの?」 「ワイはゴアの数少ない幼なじみでな、引きこもる前、つまりまだほとんどウイルスを出せない頃に良く遊んでいたから免疫がついてな、今じゃ目の前にシャガルがいても余裕や」 ゲネッポとの合流によって、大きな情報を得られた。あまりうれしい情報では無いけど……。 「ギャアアアァァァ!」 凄まじい鳴き声が密林に響き渡った。そして私にはその主が分かった。あんな狂ったように高く大きな声でもわかる。私が最も仲が良く、いっつも一緒に行動してきたモンスター。 「ギザミ……」 |