- 日時: 2014/06/17 13:20
- 名前: 7倍quasar ◆FGU2HBsdUs (ID: tg9t1f4v)
第25話 凍る海
〜エリア10〜
何かが落ちてきた付近についたBLAZEと涙那。 早速もぐって中の様子を…としようとしていた。 「…!涙那、今すぐ岸へ戻れ!今すぐにだ!」 「む…?!」 突如BLAZEが岸へ戻るように言う。突然のことに涙那は慌てていたが、BLAZEの様子を見るからによほどの緊急事態なのだろうと思い、急いで岸へと向かった。 そのすぐあとだった。
ピシッ!!ピキピキ・・・
「なー!?」 海が前触れなく凍った。それは一瞬の出来事だった。 もし戻らなかったら…海と共に凍っていただろう。 ただその凍った面…エリア10の沖合いが凍っているのだがまるで何かに遮られているかのような凍り方である。岸のほうはまったく凍っていない。ただし温度は低下している。 「…!BLAZE殿はあの中に!」 BLAZEがいた辺りは…完全に氷と化している。しかしBLAZEの姿は見えない。 探そうにも氷に囲まれている上に温度が急速に低下している。このまま泳ぐと体温の低下を招く。 「む…ここは一旦引くべきか。」 どうしようもないと判断した涙那はひとまず岸へ戻ることにした。
「ぎりぎり…か。我としたことが…」 BLAZEは凍った海の中にいる。しかしBLAZEが無理やり凍らせるのを阻害させているため、氷の中ではなく、0度に近い海の中である。おまけに海面当たりは凍結しているため息継ぎするためには氷を破壊しなければならない。 「見たところ…これをした張本人は確認できん。しかしこのままでは海の生態系が崩れる…仕方ない。」 そういうと、BLAZEは今まで持っていた武器とは異なる、異形な大剣を取り出した。 水中だというのに、その剣は燃え上がってる。 「…破ッ!!」 ズバシュッ!!ピキッ!! 水中でその剣を真横に振る。振った瞬間からまわりにあった氷が一瞬ですべて溶けた。温度もそれまでの温度に戻った。どんだけ便利なんですかあんた。 「…これでしばらくは凍らないな。くくっ」 しかも凍らないようにする始末。あんた万能すぎ。主人ほどではないけど← とにかく異変は解決した。しばらくは問題ないだろうと思い、BLAZEは息継ぎのために海上へとあがろうとした。 「ん…?」 そのとき、海底に何かが見えた。息継ぎをしなくてもまだ少しは耐えられる。BLAZEはその何かの元へと向かった。 そこにいたのは… 「…異世界の住民か。」 本来いるはずのない人間だった。 「しかしこいつ…生きているのか?」 沖合いで沈んでいるところを見ると…溺れたのであろう。 だが、ここは岸からかなり離れている…。見た感じ泳げそうにない。そんな人間がなぜこんなところで溺れているのか疑問だ。足をくじいたようにも見えない。 いつ溺れたのか不明だが放っておけば確実に死ぬ。いや、もう死んでいるかもしれない。 しかし、たとえ生死が不明といえど、異世界から来た者をBLAZEは放っておくことができない。その人間を担ぎ、一旦海上へ上がって岸へと向かう。 「むぅ…予想にないことが多すぎる…。ここから先は我の思うとおりにならないかもしれないか…」 そう呟きながら…。
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