Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ!二代目!企画考案中!( No.838 )
  • 日時: 2014/06/18 16:09
  • 名前: 翼の勇車 (ID: xmmR8boT)

クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車

二十五章 食事会と夢の世界

「クック……あなたという人は……」
巣の一角を見ながらブルブルと震えるラン。その視線の先には……嘴を砕かれて横たわるイャンクック亜種。
ランがおこっている理由は明確である。ここはラン達ランポスの営巣エリア。すなわち、ランポスの卵があるのだ。
「見なさい、卵のすぐ近くではないですか! あなた、もし卵が割れていたらどう責任をとってくれるつもりだったんですか!」
「まあ待つニャ」
申し訳なさそうな顔のクックに詰め寄るランの前に入り込んだのは、少し離れて話を聞いていたセージ。
「クックがこいつを投げ飛ばしたのは、襲われそうになっていたルピナスとシオンを守るためだニャ。ここはクックを許してやってくれないかニャ?」
「そうですっ、クックさんは命の恩人ですっ」
後からやってきたシオンも一緒になってそう言う。
「……分かりました、セージさんとシオンさんに免じて今回はお咎め無しです。ですが、次からは注意してくださいね?」
ため息一つそう言ったランに「ああ、分かった」と言ったクックは二人に近づくと、有難うと小声で言った。
「なに、困った時はお互い様だニャ」
「助けてもらったお礼ですっ」

「さて、ところでなんだけれども……」
カスケが少し高くなっている所へ上がり声を上げると、皆の視線がそこへ集中する。
「皆食べながらでいいから聞いてくれ。クシャルダオラノの襲来とかあったから忘れてる人もいるかもしれないけど、それ以前に色々と不思議な事が起きてる。まずはミナーヴァの皆が突然この孤島へ現れたこと。それと僕らが感じとる事のできる謎の異変。またそれとは違う、モンスター達が感じとる事のできる"ズレ"。またそのズレの先には必ずミナーヴァの皆がいた。そして僕ら全員が見た、奇妙な夢。今のところ上がっている情報はこんな感じだけど……」
「いや、一つ追加してくれ、カスケくん」
声を上げたのはニーリンだ。
「先ほど気まぐれで少し頬をつねってみたのだが、その瞬間少し世界がぶれたような感覚に襲われた。このことも考慮してくれ」
「情報提供感謝するよ、ニーリンさん。さて、これらの情報から、今回のごたごたの原因を突き止めたいと思っている」
一斉に考え込む一同。最も、そんなことは全く聞いておらず食事を続けている者も数名いたが。
「ニーネエのいっとった、世界がぶれたような感覚ってのが引っ掛かるわ。まるで夢か何かみたいやな」
「私も同じ事を考えていました。もしかするとこれは、本当に夢なのではないでしょうか」
ゲネッポとランがそう言うと、俺も、私もそう思うという声が各所から上がった。
「これ、夢なの? カトリアお姉ちゃん達、ほんとはいないの?」
カトリアの近くでジュース飲んでいたルカが、カトリアを見上げる。涙目だ。
「いやルカ、そうとは言い切れんぞ。もし夢だとしても、これは鮮明すぎる。ただの明晰無夢だと言ってしまえばそれまでだが、我々の意思体が集結して一つの夢を見ているというふうにも考えられないか?」
クックの言う説はいささか強引な気もするが、それならば納得いく点も多い。最も、これはクックがルカを落ち着かせようとして言ったものなのだったが。