- 日時: 2014/06/19 13:27
- 名前: 7倍quasar ◆FGU2HBsdUs (ID: qIyEA3EQ)
その16 1vs4
「グルゥ・・・」 「ん?」
リオレウスを除く3体のモンスターが炎を取り囲む。 まるで逃げ場を1つに誘っているような回り方…おまけに連携ができているようにもみえる。
「グルァァア!!!」
ブシャァアア!!ズドゴッ!! ラージャンはブレス、ティガは岩投げ、ナルガは…尻尾の棘を飛ばす。 ラージャンのブレスは放射状に広がっている。しかしティガやナルガには当たらない程度ではある。 ティガの岩投げには猛毒が付加されている。早さも通常の倍以上 ナルガの棘は…いうまでもない。 3方向から炎に攻撃を行った。
「…」
ダッ!! 炎は真上に飛び上がった。3方向の攻撃は地上では避け場がないようなものだが…上にはいくらでも避けることができる。 しかし、あまりにも上方向を考えていないこの攻撃には何かある…。そう思っているのにあえて飛び上がった。
「グギャアァ!!」
飛び上がった炎を見てリオレウスが空中から飛び掛ろうとした。おそらくこれがモンスター達の目的だろう。 空中に人間が飛び上がれば回避をすることはできないからだ。
「考えが甘いな。」
ズドン!! それが人間であるなら通用したであろう。しかし、今回の相手は…常識がまったく通用しないモノ…。 勢いよく向かってくるリオレウスに対し、炎は貫通弾を放つ。とはいってもこの貫通弾にはある仕掛けが施されている グサッ!!バキッ!!
「グォオ?!」
放たれた弾は右足の爪に直撃する。貫通弾ではあるが、爪の深くに入り込むと、勢いを失い、体内で止まってしまった。 しかし、足の動きが不規則となってしまい、バランスを崩したリオレウスは地面へ墜落する。 ブシャァアア!!!
「っと」
地上から高速の水流が襲う。炎は空中であるのにまるで地上にいるかのような回避をした。 この水流の正体は…ナルガクルガのブレスだ。通常ではブレスは持ち合わせていないが、人工的な進化によって生み出された。 …水流の力は流量と流速によって決まる。ρQV、Q(流量)=AVとなるため、ρAV^2、すなわちρ(水の密度)とA(断面積)が一定であるならV(流速)によって左右される。 すなわち、流速が早ければ早いほどその威力は破格的なものとなる。さらに、当たる面積の大きさによってさらに威力をあげることもできる。 このナルガクルガが放つブレスの速さは…目視不可能なレベル。炎が避けた先にあった天井をえぐるほどである。常人が当たれば…貫通する。
「グォァ?!」
常人が空中で回避行動をとることはありえない。それはモンスターたちも分かっていること。 しかし炎は空中で回避を行った。これはモンスター達にとって予想外だった。
「甘いんだよ、考えが!!」
ズドン!! 炎はナルガクルガの尻尾に向けて1つの弾を放つ。 パカッ!! それが尻尾に直撃する直前に1つの弾は割れ、中にある無数の弾が拡散する。 ズガガガガガッ!!!!
「グシャォォアア!!?」
尻尾に無数の弾が直撃する。切断まではいかなかったが…忍ばせてある棘のほとんどが崩れ落ちた。 同時に、体内から生成される水も溢れ出す。 ブルン!! その溢れ出る水を炎に向かって飛ばす。 この水には…腐蝕作用を持っている。それもかなりのもの。当たってしまえばすぐに防具は蝕まれる。 しかし、炎に向かって飛ばしたときにはすでにその方向に彼はいなかった。
「「「「?!」」」」
4体のモンスターの視界から完全に消えていた。 いったいどこへいったのか周囲を見渡す。
「透明は見えないみたいだな。散れ」
ズドン!!! 突如ナルガクルガの左腕から何かに殴られたかのような音が鳴り響く。 その威力は…ナルガクルガを吹き飛ばし、壁に衝突した。 ズガァァアアン!!!! 壁に衝突したナルガクルガはその衝撃に耐えられず、中の臓器が飛び出した。 殴られた部分は…完全に凹んで原型をとどめていない。一体どれほどの力を与えたのであろうか…。
「グ・・・」
中の臓器が飛び散り、体もぼろぼろになっている。それなのにナルガクルガはまだ力尽きない。
「まだ耐えるか…」 「グギャアァ!!」
余所見をしている炎にリオレウスが飛び掛ろうとした。 が、飛び掛ることはできなかった。
ズシャァァァアアアン!!
リオレウスの右足が突如爆発した
― 途中にあるρQVは2断面における運動量の変化(ρQ(V2-V1))の片方が壁に当たっている場合の式。 |