- 日時: 2014/06/21 16:21
- 名前: 布都御霊剣 ◆Mp0wNgpgF6 (ID: P1ET2rqZ)
モンスターハンター「焔の詩」サイドストーリー 微笑は風と共に プロローグ 「この抜け道を真っ直ぐ行けば屋敷の外へ繋がっております。早く行って下さい」 「で、でも・・・・・・マルコはどうするの?」 「私の図体ではそこは通れません。勿論、追手も・・・・・・ここでお別れです。この屋敷の外の世界で・・・・・・強く生きるのですぞ。これが私からの――最後の願いです」 それを最後に、全てが闇に包まれた。 そして、その闇を、言われたとおりに真っ直ぐに進んだ。 その先に光があると信じて・・・・・・ 光が見え、手に届きそうになったところで目が覚めた。 また、この夢だ。 執事のマルコを喪い、外の世界とやらに出て3ヶ月経った。 その3ヶ月の間に、何度この夢を見ただろうか―― そして、この夢を見る度に思う。 このままじゃ、屋敷から出てもまだ籠の鳥だ―― この家に来てから、一度も開け放った事の無い窓を見つめ、心の中で呟く。 これでは、マルコとの約束を果たせない―― そして、開かれない窓から目を離した時だ。 コンコンと、ノックする音が聞こえた。 「誰かいるの?」 「こっちだよ。こっち」 他の家と比べ、かなり高い塀の上に、一人の少年が座っていた。 その少年の手によって、今まで開けた事の無かった窓が開け放たれた。 そして――開け放たれたその窓から少年が手を差し伸べてきた。 「俺の名前はヴァン・フォール。実を言うとな・・・・・・君が籠の鳥みたくそこにいるから、気になってたんだ」 籠の鳥・・・・・・実際にそうだ。屋敷から離れられたのは良かったが、これではあの屋敷と何一つ変わらない・・・・・・ 「ねえ、ボクを外の世界に――連れてってくれる?」 ヴァンと名乗ったその少年は、笑って「いいぜ、一番自由なところへ連れてってやる!」と答えた。 窓から差し伸べられたその手を取り、再び外の世界へ出た。 マルコとの約束を、果たす為に・・・・・・
「ただいま〜お婆ちゃん。薬草とって来たよ〜」 そう言ってドアをノックしたが、いつもの元気な声は聞こえてこない。 どうしたのだろうか? と少し不安になりながらドアを開けて、家に入る。 「お婆・・・・・・ちゃん?」 家に入ったとき、真っ先に目に付いたのが、丁度鳩尾の辺りから、夥しい量の出血をしていた――お婆ちゃんの姿だった。 明らかに――ナイフに刺された後だ。 棚から、止血に使われる薬草を取り出し、傷口に当てる。 まだ生暖かい体温が、まだ死んではいないことを物語っている。 擦れそうな声で僕に喋りかけた。 「もう・・・・・・いいの。私はね、もうすぐ死ぬから・・・・・・だから、私の事はほおって置いて早くこの家から出なさい。恐い人たちがくるから・・・・・・いいね」 それを最後に、おばあちゃんの身体が冷たくなった。 死ぬ? どうして? 僕はどうなるの? 頭の中でそんな思考がぐるぐると回り、背筋が凍る。 だが、そうしている暇は無かった。 突如、ドアが乱雑に開けられ、おばあちゃんが言ったように、明らかに恐そうな人達が家に押しかけて来た。 その恐そうな人達が僕を囲み、その内の一人に羽交い絞めされ、そのまま連れて行かれた。 僕は――どうなるの?
本編から離れて番外編を書きました。 これはフロウとアンバーの話です。 何故その話を書いたのかというと、13話からアンバーがフロウがどうのとこうのだったので気になっているのではないかと思ったのでこのタイミングで書きました。 本当なら本編代1期終わらせてからの予定でしたが、いまならタイミング的にも丁度いいのではないかと・・・・・・ まあ、呼んでいる人がいるのかすら解りませんが
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