- 日時: 2014/06/21 20:32
- 名前: 布都御霊剣 ◆Mp0wNgpgF6 (ID: P1ET2rqZ)
モンスターハンター「焔の詩」 サイドストーリー 1章-1 僕のお婆ちゃんはよく本を読み聞かせてくれた。 その本の中でも特に印象的だったのが、操り人形の話だ。 使い古された操り人形が「意思」を持ち、今の自分に疑問を抱く。このまま操られるだけの存在で良いのか? と。 やがて、自らの意思でその糸を断つことが出来た。だが、糸が断たれた事で、動けなくなってしまう。 そして、最終的にはその人形は捨てられる――そんな話だ。 最後はこう締めくくられている。 糸を切った事で動けなくなった。だが、それでも幸せだ。何物にも代え難い「自由」を手にしたのだから・・・・・・と。 ・・・・・・そして、その話を語る、お婆ちゃんの優しい声が――鮮明に聞こえてくる。 ――やっぱり、死んでなかったんだ。 あれは、きっと悪い夢だったんだ―― そこで、光が目に差し込んできた。 そこは、いつもの部屋じゃない。 もっと、狭いはずだ―― それに、こんな白くない。異の家は、木の色をしていた・・・・・・ あれは・・・・・・夢じゃなかったのか? ふいに、ドアが開く音が聞こえ、背の高い、見知らぬ男の人が入ってきた。 「・・・・・・目は、覚めたかね?」 威厳のある、低い声でそう告げる。 「・・・・・・君は本来この家にいるべき人間だ。だが、私の母さんがどうしてもと言うから、預けていたのだ。出来ればずっとそのままにしておきたかったのだが――私には時間が無い。どうしても、君に託さねばならない秘密がある・・・・・・」 母さん? 時間が無い? 僕に託さなければならない秘密? どう言う事だ? 「不思議そうな顔をしているな・・・・・・無理も無い。君と最後に会ったのは――もう、6年程前だからな――私の名はガレム・デュナス。君の父に当たる人間だ。早くリビングにいって朝食をとりなさい」 そう言われるままに、階段を下りた。
朝食を食べ終わり、僕の“父さん”と言ったガレムさんの話を聞いていた。 「・・・・・・我らデュナス家は、失われた英知が詰まった――今は“箱”と言っておこう。その箱が、確かに存在する。だが、それは悪用すれば世界は一瞬にして変わってしまうだろう。それだけの秘密を、今まで硬い血の盟約により護り続けてきた。だが、それを壊そうとしている者がいる」 一呼吸置いて、その名を滑らす。 「ライラ・デュナス――君の母方に当たる人だ」 「・・・・・・一つ、聞きたい事があります。僕のお婆ちゃんを殺した人たちは――一体誰が?」 一瞬の、長い沈黙が流れ「・・・・・・それもライラだ」と、苦しそうに口を開いた。 その時、心の中で、静かだが、確かに憎悪の炎が燃えたのを感じた。
はい、何かいつも通りの暗めの(?)な展開です。 ・・・・・・デモなんかコレが通常運行になりつつある様な・・・・・・ |