- 日時: 2014/06/22 16:57
- 名前: 翼の勇車 (ID: .vGmR6TY)
クロスオーバー ダブルサクライザー×翼の勇車
二十六章 続き
「なぁおいニーリン」 なにやら考え込んでいるニーリンへ近づいていったのはトトス。 「む? ガノトトスか。モンスターが喋るというのもやはり違和感が凄いな」 やはり彼の事も忘れているらしく、若干警戒しつつ不思議そうな目でトトスを見るニーリン。 「本当に忘れちまったのか? 楽しく話したじゃねえかよ、ロングスナイパーライフルとか、ラケーテンバズーカとかよぉ。グラメガキャノンなんか傑作だったろ?」 「なんだそれは? 随分とネーミングがセンスが悪いな」 やはり覚えていないようだが、トトスは引き下がらずに話し続ける。
そんなトトスをニヤニヤと見つめているのはゲネッポ。自称芸人の彼としては、恋ばなほど美味しいネタはない。 「美味しいネタゲットやな」 「何が美味しいネタなんですかっ?」 誰にともなく呟いた言葉に食いついたのはシオン。実はこの二人が会話をするのは初めてだったりする。 「お、シオネエかいな? ほれ、あれ見てみい」 器用に掴んだ箸で、噛み合わない問答を繰り返しているニーリンとトトスを指すゲネッポ。 「おーっ、ニーリンさんモテてますねっ」 「やっぱそう思うかいな? これは後でおちょくり甲斐があるでー。」 「ですねーっ」 二人の間に謎の結束が生まれた瞬間であった。
「うーん、となると、私たちが夢から覚めたらお互いの事を忘れちゃうんだね……」 「それはちょっと寂しいね」 若干表情を曇らせるカトリアの声に相づちをうつギザミ。 「でもさ、どうせ忘れちゃうって分かってるんなら、今のうちに楽しもうよ。先の事を考えてうだうだするよりはずっといいと思うよ」 顔を上げ、微笑んでいると想われるギザミの顔を見るカトリア。 「そうですよ、モンスターとふれあえるなんてそうそうできる体験じゃないんですから」 アストもそう言い、元気を取り戻したカトリアであった。 |