- 日時: 2014/06/26 18:27
- 名前: 真夏のペンギンさん (ID: pmoTcxDu)
7話 風はシュレイドへ
艦内に戻った3人はまず艦長に損害を報告した。とは言っても特に何も無い。迫り出した甲板が欠けた程度である。支障は無いだろう。艦長は報告書を吟味するとデスクに放り投げた。 「そこまでの損傷は無い様だな」 セロは前に出て言った。 「教えてください。鈴木軍とはなんですか?喋るモンスターと関係があるんですか?」 「俺が説明しよう」 レージが解説しだした。 「鈴木軍とは全世界3%を占める鈴木氏のための楽園を作り残りの97%の人間を奴隷にしようとしている秘密結社だ。創設者はMr.鈴木提督。至って分かり易い様に見える。しかし、奴らには真のボスがいる」 一つ拍をあけてレージはいった。 「皇帝<カサエル>。それが奴らの本当のボス。そして奴らに仕える百人隊<ケントゥリア>、それを率いる軍団長<レガトゥス>そして、奴らに命令するのが聖徒<ベイベーズ>。そして取り仕切る人々が男爵<ロード>。奴らの真の目的はわからない。ただ、良からぬことなのはわかる」 殆ど表情を変えずに言い切る彼の姿には迫力がある。 「レージにちょっと補足するね。一つのクラスにもいろいろとあるんだ。例えばさっきのクシャルダオラは強襲<スマッシャー>部隊のケントゥリア。他にも武装騎竜兵器部隊<アーマード>やら親衛隊<ガーディアン>やら火力支援隊<アーセナル>やらいろいろあるんだ」 ミサキが軽い口調で補足したところで 「さてと説明が終わったところで本題だ。セロくんとかいったな君の目的が果たせそうだぞ」 艦長の言葉にセロは目を見開いた。まさか…… 「紅龍ミラボレアスが出現した。場所はこの辺りの山中。この風とこの進路からすると奴の目的地はシュレイドだ。我々は至急シュレイドへ向かう」 「紅龍ミラバルカンといえばベイベーズの一匹ではありませんか?」 レージが僅かだが驚き気味になっていた。 「そうだ。ベイベーズの1人から話を聞きだせる。絶好の機会だ。全兵器を駆使して戦うぞ!よし、平蔵!」 ドアから一匹の白いアイルーが入り込む。 「ニャンですかい?主人」 「目的地はシュレイドだ。進路を西に!」 白いアイルーは敬礼して 「ラーサーですニャ!主人!」 と言うとドアから出て行った。セロはポカンとしている。 「おっと、まだ紹介していなかったな。彼奴はわしの相棒の平蔵だ。この船の服艦長兼操舵員だ。オトモアイルーとして人斬り平蔵と呼ばれていたな。今は落ち着いたが」 猫が操舵員してるなどこの船には常識とか無いのかと、セロは思った。船が大きく揺れる。
風はシュレイドへ……
続く……
今日中にも一回更新するかもしれません。 |