- 日時: 2014/06/27 20:27
- 名前: 7倍quasar ◆FGU2HBsdUs (ID: ypxp80Pt)
その20 激昂
〜炎視点〜
「…」
部屋の中にいたモンスターはすべて力尽きた。彼がやったのは…貫通型のあれ。 すべてを消し去ったのを確認して外へでようとしていた…。
「「「「クエェー!!!」」」」 「ん?」
通路からイャンクックの鳴き声が聞こえる。それも複数…。 しかしこの部屋にきたわけではなく、どこかへ走り去っていったのだが…その軍団が通り抜けたあとはどうみても通常種では起こり得ない現象が残っている
「全盛期…か。まぁ出会ったら狩ればいい…」
全盛期のイャンクックですら会ったら程度で考えている炎。 そして…ある方向を目指す。
〜黒幕視点〜
ここは…施設のどこか。 この施設は地上部だけ見るとただの家に近い…。しかし実際は違う。地下部は膨大だ。 はてしなく広がる地下はもはや迷宮。地図がなければ目的の場所へ行くのは…困難。 ここは…その最深部ともいえる場所。
「申し上げます!侵入者が現れましたぁ!!」 「ダニィ!?早速征伐しに出かける!後に続け!TRAILBLAZER!!」 「いやいや、待ち構えようって。」
その場所には組織の中でもトップクラスのものが集まっていた。そのうち、全身ゴルルナ装備の男は一刻も早く炎を倒そうとしているが組織のボスことTRAILBLAZERは待ち構えようとしている。
「臆病者はついてこなくてもよい!バーサーカー、はやくしろ!」 「…」
今度はバーサーカーという男とともに行こうとする。しかし彼も動こうとはしなかった。
「もういい!俺一人でいk」 「待てってんだ。どうせここまでたどり着くにはすべてを破壊しなければならないんだって。それまでに力尽きたら所詮その程度。のんびり待っておこう。」 「くっ…」
結局誰も出迎えにはいかなかった。
〜地下10階〜
「っ…!!!!」 「け〜けけwwwwww」
残妖の両肘部の骨は…関節ごと粉々にされた。 もはや原型を留めていない…。自然回復では再生不可能といってもいいだろう。
「これでお前はもう肘から先は二度とつかえまい!!」
…関節ははずされただけゆえに、もう一度はめ込めさえすれば問題ない。 しかし…破壊されてしまえば話は別。完全に元に戻るのであれば時がたてばどうにかなる。しかしこれは…どうしようもない。 両腕はもはや…使いようにならない。そしてそれは治らない。その事実は…とてつもなく大きい。
「嘘…でしょ…?!」 「け〜けけwww心配するな!お前もこいつと同じ運命をたどるのだからなぁ!!!」
こいつ…?まさか?!と思い残妖は霊華の方向を向く。 ―よく見ると両腕が絶対に曲がってはいけない方向を向いていた。しかも指にいたってはすべての関節が破壊されている
「さ〜てwww仕上げだぁ!!」 ガシッ!!!
研究員は異常なほど肥大な腕で残妖の頭と首を押さえた。
「これで首の骨を折り、お前は即死!!け〜けけwwたまらんのう!!」 「!!!」
残妖はどうにかできないか必死に抵抗するも…全身はまったく動かない。 いつもなら動く両腕、両足は…力が抜けたようになっていた。 頭と首から徐々に力が加わる感覚が襲う
「け〜けけwwさぁ…死ぬがよい!!!」 「いや…いやぁぁぁあああああああああ!!!!!」
ズドッッシャァァァアアアアアアアアアン!!!!!
「なんじゃ?!」
研究員は突然の出来事に加えていた力を抜き、爆音の響く方向を向いた。 硬く閉ざされていた扉が…なくなっている。何者かが侵入したのだろう。 しかしその扉は…部屋の中に存在していない。どこを見渡しても扉らしき物も、破片らしきものも存在していない。 そして…その扉があったところから誰かが入ってきた。
「・・・・・・・・・。」
入ってきたのは地だった。どうやら彼は炎と別行動をしてからすぐにここへ向かっていた。 残妖たちがここにいるかどうかは直感ではあったが…その直感は当たっていた。
「な・・・何者じゃ!!ワシの実験室にはいるな!!」
研究員は地に向かってそういう。 しかし…それは返って彼の逆鱗に触れるだけであった。そして彼は…
「―コロス。塵モ残サヌ」
普段とはまったく異なるの口調、声色でそういい放ち、ある弓を取り出した。 その弓は…まるで何かの加護を受けているような輝きを帯びていた。枝の内側にも、外側にも数多くの小さな鈴が付いている…通称「千鈴の弓」 彼はその弓を、ありえないほどの力で引き絞った
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