- 日時: 2014/06/28 10:44
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: 0qhZN1og)
クロスオーバー 7倍quasar ×ダブルサクライザー
第四章 それぞれが出来ること
〜ミナーヴァside〜
地達の自己紹介を終えた所で、カトリアを始めとするミナーヴァ各員も自己紹介に出る。 全員の自己紹介が終わり、カトリアは話を持ってくる。 「では地さん。私達ミナーヴァはハンターの他にも様々な職務資格を持った人もいます。それらに関しては……」 「あー、それらに関しても少しは話してるよ」 カトリアが言い終えるより先に地が返答する。 「ざっと聞いて、ちゃんとした資格を持ってる人は、村のそれぞれの施設に雇ってもらう形でいいんじゃないかな。それと、そっちの、ユリだっけ?あんた、農作業とかは出来たりする?」 地はユリに向き直った。 ユリは自分に話を向けられているとのだと感じ、彼女も地に向き直る。 「えっと、やったことないですけど、やろうと思えば多分出来ると思いますよ」 「オケ分かった。んじゃ、話は俺がテキトーに付けとくから」 ユリの反応を見て、地は頷いた。 そんなユリを見てツバキは声をかける。 「ユリ、大丈夫なのか?」 「うーん、分かんないけど多分大丈夫だよ」 その自信はどこから来るんだとツバキは呆れたが、彼女がやると言うのなら、止めることはしない。 「分かった。止めないよ」 ツバキはそれだけ言った。 「オケ。ほんじゃ、これからヨロwww 」 そしてこの地と言う男。 どこか胡散臭さは抜けないが、まぁ悪い人物では無いだろう。 とりあえず今は信用してもいいかも知れない。
〜地side〜
「(さて、とりあえず状況は落ち着いたし、あとは炎が戻ってくるまでテキトーに過ごすか)」 ひとまずの問題は解決した。 と言うより、炎は今はどこで何をしているのだろうか。 まぁ、彼のことだ。多少の面倒ごとでも「散れ」もしくは「失せろ」の一言で大体は片付く。なんと言う力業だ。 そんな力業でもかなりセーブしているのだから恐ろしい。 「(ま、俺もそんなもんだけどなwww俺がキレたぐらいじゃ世界が滅んだりしないけど、あいつがキレたら洒落にならんwww )」 「なぁ、地」 思考を回していた地に声をかけるのは冥花と霊華だ。 「私達は何をしたらいいの?」 今度はこっちだ。 しかし、片や三途の川でサボ……死者の扱いをしていた者、片や常に腹ペコ幽霊。しかもどれだけ食べても腹がいっぱいにならない。胃下垂か。 まぁ、冥花はユリと一緒に農作業でもさせてればいい。 霊華は……どうするか決めかねている。 「うん。とりあえず冥花はユリと一緒に農作業でもしといて。霊華は……どうしよwww 」 これも考えるんかい、とまた地は頭を悩ませる。 せめて残妖くらい万能ならいくらでも手段はあるのだが。 「地さん。私はとりあえず、家事をこなしつつ狩りをしていればいいですか?」 残妖も入ってくる。 「あぁそうだな。一応その服はその辺の素人以上の防御力はあるし、武器は俺が見つけた発掘太刀があるだろ」 「えぇ。使わせてもらいます」 そう言うと残妖は携えているその太刀に手を添える。 「だから私はどうなるの」 霊華は口を尖らせる。 「わーったわーったwww 後で考えるから」 〜ユリ&冥花side〜
村長の計らいで、各所営業に雇われるなったエリス、ライラ、ルピナス、シオン、マガレット。 一応、全員にこの村で馴染めるようにと、ユクモノドウギを支給された。 ユリと冥花は農場管理人に案内されて、ユクモ農場に向かっていた。 「うわぁ……広いなぁ……」 ユクモノドウギを着込み、そのか細い肩が露になっているユリはその農場の広さに思わず声を漏らす。黒髪の美しい彼女にその姿はよく似合っている。 「そこそこの設備は揃ってますので、あとはご自由に管理を。何か増設したい設備があれば、お気軽に相談を」 管理人はユリと冥花にそれだけ伝えると、農場を後にする。 二人残されるユリと冥花。 「で……具体的にあたい達は何をしたらいいんだい?」 「んー、私も分かんないから……あ、そこのアイルーさん、ちょっといい?」 ユリはそこにいるアイルーに声をかける。 「ニャ?」 「ここの農場って、何をしたらいいの?」 アイルーと目の高さを合わせるため、しゃがむユリ。 「ニャ……普通に作物を育てたり、魚を釣ったり、鉱石を掘ったり、虫籠の虫を集めたり……今はそれくらいかニャ」 農場ひとつでも色々な物が採れるようだ。 「そっか。ありがと」 ユリは礼を言うと、目の前の坂を降りる。 目下に広がるのは、荒れた土壌だ。 「まずは、これを耕すのかな?」 その辺に立て掛けてある鋤を持ってみる。 「う、けっこう重いなぁ……」 持ち上げられないことはないが、これを持って何十分も土を耕すのだから、農家の方達の体力は馬鹿に出来ない。 「んっ、ょっ、と……」 鋤を降り下ろし、土を返す。 何度か繰り返す内に、土は柔らかい土壌が地表に現れ、中からミミズが驚いて出てくる。 「うわっ、ミミズッ?……そっか、土の中だもんね」 ユリもミミズの出現に驚いて尻餅をつく。 ミミズはすぐに地中に潜っていく。 また私が掘っちゃうけどね、とユリはその様子に小さく笑うと、再び鋤をしっかり握って土を耕していく。 これが大陸を股にかける歌姫だと誰が信じるだろうか。 一方で、冥花は木陰に座り込んでいた。 「土いじりなんてめんどくさそうなこと出来ないっての……」 欠伸を一つ漏らすと、冥花は早速昼寝に入った。 〜炎side〜
「……ん?なんだ、この感覚は。よく分からんが……」 すると、炎は凍土の真ん中で叫んだ。 「寝・る・な!!」
〜ユリ&冥花side〜
「きゃん!?」 冥花は突然飛び起きた。 「冥花さーん、どうしたんですかー?」 ユリは冥花の悲鳴を聞いてその方へ向く。 「な、なんかよく分かんないけど、寝たら怒られたような感じが……?」 「?」 ユリは小首を傾げると、再び土壌の耕作に戻る。 |