- 日時: 2014/06/30 17:34
- 名前: 7倍quasar ◆FGU2HBsdUs (ID: JXFsIGa0)
その22 制御
〜地下10階〜
今この部屋には…塵が大量に舞い飛んでいる。 いくらイャンクック等を塵にしたとはいえ、もとの物質を完全に消滅させることは地にはできない。 それができるのは…彼を超える問題児である炎くらい。
「…おい、何きれてんだ」
突如部屋へ入ってくる炎。さっきまで違うところにいたのに一瞬でここまでくる。そのわけは瞬間移動だけどね。
バシュシュッッ!!!
地は敵が来たと判断し、確認もせずに矢を…放つ。 しかし炎はその場所にはもういない。音速に近い矢を普通に回避する…どう考えても人間ではない。 急に消えた炎を探すかのように周囲を瞬時に見渡す地。
スガッ!!! 「…ガハッ?!」 「お前はそれだから甘いんだ。制御できないとこは変わんないな。しばらく寝とけ。あほ。」 ドサッ
炎は…一瞬の隙に地の鳩尾を強打する。その威力は…常人に放てば体を貫通するほどの力。 十分人間離れしている地でもこれには耐えられず、気絶した。 とりあえず地を無理やり制御した炎は他に誰かいないか改めて見渡す。 部屋の隅に残妖と霊華がいるのを確認したが…どうみても様子が変と思った炎はすぐに駆けつける。 そして…二人の体が限界までぼろぼろになっていることに気づく。
「ここまでされるとなると…か。まぁなんとか…」 「炎…さ……ん…?」 「残妖、今は黙ってたほうが身のためだ。これ以上は話すな」
残妖はまだなんとか意識を保っていた。しかしもはや消えかけたろうそくの灯火に等しい状態…。 炎は残妖を黙らせて…ある物を取り出した。 そして…
「リザレクション…!」
蘇生呪文を唱える。というよりそんなこともできるんですか。 二人の体の異常部を…まるで何も起きていなかったかのように修復する。 そして魔方陣が消える頃には…二人の体は元の状態となっていた。
「…ッ!!」 ビチャッ!!
しかしこの魔法は…自身に大きな負担を伴う。対象の損傷が激しいほどに負担は強大なものとなる。 炎はその場で吐血したが…すぐに平静を取り戻す。
「・・・おわったぞ、もう話してもいい。」 「…え?でも私の腕…ってあれ?!」
残妖は自分の両腕と両足を確認する。 関節は元通りとなっており、破壊された肘部も完全に修復されている。 もう一生直るはずがない…そう思っていた肘部が、である。
「……」 「感謝するなら俺ではなく、あいつにしろ…俺はただ治しただけに過ぎん…」
炎は…地面にぶっ倒れている地を指しながら言う。確かにその通りである。 炎がやったことは異常部の修復。それだけであって、実質彼女らを助けたのは地である。 だから自分は感謝されるほどのことはしていない。むしろそれは地が受けるべき。 …もっとも、今は地ぶっ倒れているんだけどね。
「…うっ…う…!」 「…あーもうしゃーないな、」
そういうと炎は…
「地、起きろ。もう元に戻っただろ。」 「……ばかやろう…お前の一撃喰らってこんだけの時間で回復するわけねーだろうが!! いつつ…!」
無理やり地を起こす。そして炎は部屋から去っていった。
「おい!俺このままか!!!痛っ!!」
〜炎視点〜
「さてと、俺は俺の任務がある。あいつは無事成し遂げた。俺も俺の任務を遂行しないとな」
そういうと、ある部屋に向かって…散弾を放った |